暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第九話。千夜一夜夢物語C悪夢
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なんていない。一日一話だったとしても千日だろ?
約三年かかる計算だ。ましてや、ロアなんてもんはそんなにホイホイいるわけじゃない。
平均一週間に一話だったとしても七倍になるから、二十一年かかるって計算だしな?
まあ、厳密に言うともっと違う計算になるが」

『百物語』よりも、純粋に十倍かかるわけだしな。
確かに途方も無い話だ。

「つまり集め続けている間は、私の『もうすぐ死ぬ』というのは先送りになるのですね」

理亜は何かを決意するかのように、アリサに尋ねる。

「そういうことだ。お前さんが死なないよう、私が全力で守るからな。ただ、もちろんロアに負けちまったりしたら死んでしまう。むしろ、人間としての死じゃなくて、もっときっつい死に様になるかもしれないわけだが」

アリサは理亜の決意を受け入れるように、微笑みながらリスクも告げた。
そう、魔女と契約するのならリスクがあるんだ。
むしろリスクは減るどころか増える。
だけど、理亜のメリットも大きい。
そして、俺の知っている理亜という少女の価値観からすれば……。

「もし兄さんなら、散々迷った挙句、結局OKしてしまうとみました。何故なら、やはり一番大きな理由はスナオさんみたいな子を助けられるということ。そして……私や家族、友人がそういう目に遭わないよう、こっそり戦い続けてしまうと思います」

そう、なるらしい。
理亜の中で俺が大分美化されてる気がするのだが。
理亜の正義感からしても、やはり許せないのはスナオちゃんみたいな子がいるということ。
この世界がそういった存在を生み出しているということだろう。
だから。

「だから。兄さんがそんな目に遭わないようにする為に。私は、貴女と共に歩む『千夜一夜(シェラザード)』になりましょう、アリサさん」

真剣な表情で理亜はそう口にした。
俺なんかの為に。
俺を危険な目に遭わないようにする為に。
理亜は『終わらない(エンドレス)千夜一夜(シェラザード)』となることを決意したのだ。

「ハハハハハ?? いやはや、お前さんはほんっと、かなりブラコンだな! いっそ告白しちまったりしないのかよ?」

「っ! そ、そんなこと。……出来るはずありません」

アリサのとんでも発言に顔を真っ赤に染まらせる理亜。
普段クールな妹なだけあって、動揺して赤く染めた顔を背ける姿も可愛らしい。
本人には言えないけどね!

「ハハッ、まあいいさ。私はいつでも応援するぜ? 『主人公』は大体の恋愛も成功させたりするしな?
もっとも、失恋も『主人公』の醍醐味(だいごみ)だったりするが」

「そういうのはいいんですってば。私は今の兄さんと、穏やかに過ごせれば」

「ハッ、OK了解したぜ。ともあれ、これで契約成
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ