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101番目の舶ィ語
第七話。千夜一夜夢物語A素直な転入生
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?」

隣を歩く金髪ドリルの少女に校内の説明をしていた理亜だが、そのスナオちゃんはぼんやりしていて、先ほどまでの元気がないような様子だった。

「いえ、元気がなくなっていましたから」

「そんなことないって。わたしはいつでも元気だよっ」

小さくガッツポーズをするスナオちゃんだが、さっきまでの突き抜けるような元気さがなくなっているのは明らかだった。

「ん? ああ、須藤にミレニアムか」

と、そんな二人のもとに、校内を見回っていたらしい四条先生が話しかけてきた。

「あ、四条先生。こんにちは」

「こんにちは。学校案内ご苦労様だね」

四条先生は柔和な笑顔を浮かべて理亜とスナオちゃんを見る。
女子の視点から見てるせいか、この先生が生徒達からの人気が高いのもなんだか解るような気がした。

「ふぅー」

しかし、スナオちゃんは先生の存在に気づいていないかのように大きな溜息を吐いた。

「ミレニアム?」

「どうかしましたか、スナオさん?」

「うえ?? あ、ううん。別にどうもしてないわよ?? あ、センセ、こんにちは!」

明らかに何か考え事をしていました、と言わんばかりの態度だが。理亜と先生はお互いの顔を見合わせてからスナオちゃんの顔をマジマジと見つめるが、スナオちゃんは、バツが悪そうに視線を横に向けて何かを思い悩んでいるような、そんな顔をしていた。

「ふむ、流石に水泳の授業もあったから疲れたのかな?」

「そうかもしれませんね。そろそろ帰りましょうか、スナオさん」

「あ、あぅ……ごめん」

気遣われたのが解ったのか、スナオちゃんは申し訳なさそうに頭を下げた。

「転入初日で、あんなに元気に頑張っていたのですから。疲れたりしてしまうのも無理はありません。それよりも明日からもずっと長いのですから、初日はほどほどにして帰りましょうね、スナオさん」

「あぅ……ありがとう。リアってばほんと、気遣いさんよね……」

「そんなことありません。世話のかかる兄がいるから出来るようになっただけです」

「確かに一文字は世話のかかる兄だろうなぁ」

何気に酷い事言ってませんかね、お二人さん??
まあ、否定はしないけどさ。

「と、いうわけで帰りましょう、スナオさん」

「うん……」

優しく微笑んでスナオちゃんを諭す理亜。
しかし、スナオちゃんはそれでも思い悩んでいる様子だった。

「ああ、そういえば」と四条先生が思い出したかのように話し始める。

「最近……というわけでもないが、どこかの町で下校中に攫われてしまった女子中学生がいたらしい。須藤も、ミレニアムも気をつけるようにな」

「攫われる、ですか?」

「事件としてニュースにはなっていな
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