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101番目の舶ィ語
第七話。千夜一夜夢物語A素直な転入生
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い。
『もうすぐ死ぬ』なんて言ってきた人物に話しかけられれば、警戒して当然だろう。

「それで、何をしに来たんですか?」

「隣のクラスの友達が、休んでいる友達に話しかけにきただけじゃないか」

警戒感を丸出しする理亜に対し、アリサは腕を組んでケラケラ笑いながら告げる。
特に意に介した様子ではなさそうだが、『魔女』の逸話には『真実の話を信憑性にかける話のように語りかけて、相手を惑わす』とか。『いつの間にか生活の中に紛れ込んでいる』という話があるから、目の前のこの『予兆の魔女』も油断は出来ない。

「しかし……」

アリサは視線をスナオちゃんに向けると。

「ん?」

「面白そうな娘だよな、こいつ」

興味深そうにスナオちゃんを見つめた。

「あは! わたしも貴女みたいな綺麗な銀髪の子は大好きよ!」

「そうだろそうだろう。私の髪は天下一品だからな?」

「テンカイチなのね! グレートだわ! わたしは転入してきたスナオよ!」

「隣のクラスの銀髪美少女、アリサだぜ」

「よろしくね、アリサ!」

「ああ。フォロー・ミー、だぜ。スナオよ?」

いきなり仲良くなっていた。
このフレンドリーさ。
理子系女子なら標準装備しているのかな?
この金髪と銀髪の水着少女達を見ていると、国際交流を見ている気持ちになってくる。

「アリサさん」

そんな二人が仲良く笑い合っているのを止めるかのように理亜はアリサに話しかけた。

「私はまだ大丈夫なのですか?」

理亜がストレートに尋ねると、アリサはその口元を歪めて返答した。

「みたいだな。今日辺りに一回山が来るかもしれないが」

『予兆の魔女』に尊大に告げられた理亜は口元を引き結ぶ。

「ん? ナニナニ、なんの話?」

事情が解っていないスナオちゃんは首を傾げて二人に尋ねる。

「なあに」

アリサはこれから語る言葉が面白くて仕方ない、とでも言うかのように『ククク』と含み笑いをしてから。

「運命的な話さ」

意味ありげに、そう呟いた。





……。

……??

景色がまた変わった。

「あちらが美術室で、その隣が音楽室ですよ」

「んー……」

放課後になり、理亜はスナオちゃんを連れて校内を案内していた。
他所のクラスのせいか、アリサの姿は何処にもない。
校舎の窓からふと外を見ると、あかね色に染まるグランドが見える。太陽が沈もうとしている時間帯というのが解る。
下校時間が近いせいか、校舎の中は閑散としており、寂しい雰囲気が漂っている。遠くから聞こえる運動部の掛け声やブラスバンド部の楽器の音が、妙に郷愁を誘っている。

「スナオさん?」

「あ、うん、何
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