SAO:アインクラッド〜共鳴しあう絆の中で〜
雪山探索編 その二
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「?」
「クエスト受ける時のおじいさんの話、覚えてますか?」
「全部聞き流してた」
「……そうですか。あのおじいさん、話のうちに何度も『若い者がいない』とか、『昔はもっと』とか言っていたんですよ」
「え、そうだったの?ていうかちゃんと聞いてたの!?」
「まぁ、念のためです。それで、その言葉から察するに、昔はよくここに来ていたっていう隠し設定があるはずです」
「そうね。でもそれがどうしたの?」
「この巣穴に入るにはどう頑張ってもドラゴンに見つかります。それに落ちて入るのも生きるか死ぬか。いくら希少なものだとはいえ、毎回そんなことをして採りに来ると思いますか?」
「……別の道があるってこと?」
「ご名答。ドラゴンが巣にいない時間に、気づかれないように採りに来る。そのための道が、ここにはあるはずなんです」
「でも、そんなのどこにもないじゃないの」
「そりゃ、せっかく作った道をドラゴンに潰されたら元も子もないですし、隠したんでしょうね。……ここだけ、音の響きが違います」
「え?」
???ガンッ。
リズへの返事は棍で壁を殴ったその音と、ガラガラと崩れ落ちた氷の壁の先の道が示していた。
決して綺麗な道とは言えないが、そこには確かに穴が開いていた。
「うそ……」
「謎解きはここまでです。声もかけずに家から出るのは少し気が引けますが、勝手に叩き込んだのは向こうですし、行ってしまいましょう」
「私をここに叩き込んだのはフォルテだけど」
「……行ってしまいましょう」
地味に得意げな表情を浮かべるフォルテの揚げ足をとりつつ、二人揃って穴に足を踏み入れる。
暗いはずの洞窟の中は、氷たちが光を反射して薄く輝いていた。
その狭い道の中は、少し滑る程度でモンスターが出るわけでもなく、ものの五分程度で通り抜けることができた。
山の中途に出てきた頃には、もう空は暗く染まっていた。
見慣れたわけでもない街の輝きを遠目に見つけ、二人揃って息を吐き、二人揃って笑いあう。
煌びやかな光ではないけれど、控えめに輝くその景色は、綺麗だった。
「次からはショートカット、と思っていましたが、そういうわけでもないみたいですね」
二人が出てきた道は、最後に柔らかい雪を突き抜ける形になっていた。
抜けた後に雪をかき分けても、今さっきまで通ってきた道は見つからない。
「一方通行ってわけですか」
「そんな甘くないわよね」
仕方ないか、と小さく呟くリズにフォルテが問いかける。
「なんでそんなに嬉しそうなんですか?」
「んー?まぁ、いいもの見れたから、かな?」
「いいもの?」
「ふふ、なんでもないっ」
あの時、空高くから見下ろした世界と比べれば、こんな夜景なんてちっぽけなものだけど。
この夜景も、綺麗なこ
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