暁 〜小説投稿サイト〜
真田十勇士
巻ノ三十二 会見その九
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「ではこれで、ですな」
「門を突き破るのですな」
「そうじゃ、櫓と大手門の上には鉄砲を放て」 
 鳥居はこうも命じた。
「火矢もじゃ、それで丸太を攻めさせるな」
「わかり申した」
「ではまずは丸太で門を攻めましょう」
「今は」
「そうじゃ、そうせよ」 
 鳥居はこう言ってだ、そのうえで。
 実際に丸太が大手門に近付きだ、大手門や櫓を攻めさせてつつ。
 大手門をに丸太の先を盛んに突かせさせた、そしてだった。
 城の門を潰していく、突き続けていると。
 遂にだ、その門が潰れてきた。そこからさらに突かせると。
 門が完全に壊れた、鳥居はそれを見て言った。
「よし、門は完全に開けさせよ」
「残った部分も壊し」
「そうして」
「そうじゃ、完全に開けてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「城の中に押し入るぞ」
「では次に目指すのは」
「二の丸じゃ」
 そこだとだ、鳥居は答えた。
「あそこに攻め入るぞ」
「ですな、では」
「そこに行き」
「そのうえで」
「うむ、確実に攻め入れ」
 城の中をというのだ。
「そして本丸を囲みな」
「降る様にですな」
「真田殿に告げられますな」
「その時にこそ」
「そうする、攻め入りじゃ」
 そしてというのだった、鳥居も。
「本丸を囲むまで一切手を緩めるな」
「わかりました、では」
「次は二の丸に向かいましょう」
 兵達も答えてだ、そしてだった。
 徳川の兵達は大手門を開けてだ、そのうえで。
 城の中に入った、真田の兵達は大手門から素早く退いたがその時に煙玉を投げたりした。だがそれでもだった。
 鳥居は兵達を的確に進ませつつだ、こう言った。
「地面にも気をつけよ」
「地面ですか」
「そこにもですか」
「地雷があるやも知れぬ」 
 これにも気をつけているのだった。
「だからな」
「地雷ですか」
「それも埋め込めていますか」
「真田家は」
「策に巧みでしかも忍でも有名じゃ」
 この二つのことから言うのだった。
「だからな」
「ここは、ですか」
「慎重に進みますか」
「地面にも気をつけて」
「そうせよ」
 こう言ってだ、そのうえで。
 鳥居は二の丸に迫った、彼はすぐにその二の丸の石垣と壁を見た。そして二の丸の門を見たがここでだった。
 不意にだ、こう言ったのだった。
「二の丸の門じゃが」
「どうにもですな」
「大手門も堅固でしたが」
「この二の丸の門はそれ以上ですな」
「どうにも」
「これは破りにくいな」
 大手門以上にというのだ。
「下手に攻めれば兵を多く失う」
「しかしです」
 旗本の一人が壁の上を見つつ鳥居に言った。
「殿、本丸に旗が多いですが」
「むう、確かにな」
 鳥居も本丸を見た、そこには確かに
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ