最終話
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薄れてゆき、ベビーブームの真っ只中となった今、誰もが嬉しくも多忙な日々を送っている。
人間の集落付近では、ここら辺の手強いイレギュラーはいないと判断したハルピュイア達がエリア・ゼロの外のイレギュラー掃討に向かおうとしていた。
「そっかー、君達も行くんだね」
「ああ、ここ周辺のイレギュラーは掃討したが、ここ以外にもイレギュラーはいる。生活圏を広げるためにも、イレギュラーは掃討しなくてはならない」
「ハルピュイア君達もいなくなっちゃうなんて寂しくなるね」
「たまには様子を見に来るわよ。お母さんが守った場所だもの」
「そう、気をつけるんだよ(あの三人はまだ来ないのかな?)。」
負ったダメージも完全に癒えたはずだ。
それなのに来ないということはまだ手間取っているのだろうか?
「気をつけてね」
アリアの隣では今でもゼロ達の帰りを待っているシエル。
ハルピュイア達が集落を後にしようとした時であった。
「待って!お願いだから待って!!」
「(やっと来たか………)」
安堵の溜め息を吐き、振り返ると三つの光球。
それは人型の形になり、自分達を見つめていた。
「ゼロ……」
「久しぶりだなセルヴォ…遅くなったな……シエル」
「あ…あ…」
ゼロの姿を見てシエルは涙を流しながら駆け寄る。
よろめきそうになってもシエルは必死に走り続ける。
しかし感動し過ぎて大事なことをシエルは忘れていた。
「ゼロ!!」
抱きつこうとしたが、両腕が空振りして体はゼロをすり抜け、勢い良く地面に倒れ込み、勢いのせいか少し前に滑る。
「「プッ」」
シエルの豪快なスライディングを見て思わず吹き出してしまったアリアとレヴィアタン。
アルエットは慌ててシエルに駆け寄る。
「大丈夫、シエルお姉ちゃん?」
「い、痛たたた…だ、大丈夫よアルエット」
擦りむいた鼻を押さえながら、シエルはゆっくりと立ち上がる。
「サイバーエルフって触れないの?」
「基本的に人間は特殊な装備がなければサイバーエルフに触れないよ」
シエルのスライディングを見たルインの疑問に苦笑しながら言うエックス。
「おい、豪快にぶっ倒れてたぜ。大丈夫かよ?」
「う、うん…少し擦りむいただけだから大丈夫よファーブニル…それにしてもゼロもルインもエックスも…二年も待たせるなんて…」
「二年?」
「こっちじゃあ、そんなに時間が経っていたの?」
つい最近のことかと思っていたのにこちらでは二年の年月が過ぎていた。
恐らく傷付いた三人の魂が癒えるまで時間がかかったのだろう。
「言われてみれば…シエル、お前とアリアは背が高くなっているな……。
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