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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第222話 霜巨人の最後
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のだろうか、顔面の青筋の本数が増えて、更に凄い事なっている。怒髪天を衝く、とはよく言ったものだ。


 だが――ここでも正直にいえば、スリュムに少なからず同情をしてしまう。


 あのフレイヤ(・・・・・・)が本物の女神である、と信じていたからこそ、婚礼を待ちわびていた訳だ。――だから、少なくとも、怒る権利はあるだろう。

 そんな時だ。トールが、スリュムの戦斧を弾いた後、黄金の金槌、ミョルニルを掲げた。



「我がミョルニルに、呼応せよ!! ―――レーヴァテインッ!」



 その声に、応えるかの様に、リュウキの持つ剣に雷が帯び始めた。
 神話の中では、ミョルニルを超える剣として 鍛え上げたのがロキ。つまりは兄弟剣と言えるだろう。だからこそ、共鳴した様だ。


「巨人の王を、地の底へと還す、手を貸せ! 妖精の剣士達よ!!」

 
 手を借りたい割には、不遜な物言い――と、思えるが カミサマである以上は仕方がないだろう。それに、神との共闘等は、なかなか味わえる事でもない。

「望む所だ。トール」

 リュウキは、呼びかけに応える様に、大きく剣を構えた。通常のライトエフェクトとは違い、雷の金色も含まれたそれは、明らかにパワーアップしている様に見える。時間が決してあるとは言えない状況において、更に心強いと言える。

「よし! 全員で、全力攻撃だ! ソードスキルも遠慮なく使ってくれ!!」

 最大最高の勝機、と見たキリトも全員に叫んだ。




 そんな中暫くの間、『フレイヤ≠おっさん(トール)』 と只管頭の中で願い続けたクライン。 でも、何度見ても、フレイヤの姿は無く、あの巨人の髭が見える。これが現実。


 ―――……仮想世界だけど、現実。



「――フレイヤさん、オッサン、フレイヤ、さん…… お、っさん……、ふれい…………」

 何かの呪文か? と思えるのだが、次にキリトの号令、半ば強引に言った『いくぞ!!』と言う言葉を訊いて、完全にその呪文は掻き消えた。表情は見えないが、覚悟を決めた様だ。

「まずは、ヤツの体勢を崩すぞ! 足に集中攻撃だ!!」
「おう!!」

 いち早く、キリトの二刀と、雷を帯びたリュウキの剣が、スリュムの脚を捉えた。
 睨んだ通り、リュウキの剣は ソードスキルを使わなくとも、雷属性の追加攻撃が付与されるらしく、追加ダメージが更に見込める。

「お、おのれ……!! 小虫がァァァ!!!」

 脚を攻撃されている筈なのに、雷撃が全身を巡る。それゆえに、スリュムはリュウキの一撃一撃を喰らう事に、僅かではあるが、動きを鈍くさせている様だ。

 トールにタゲをとっていたのだが、リュウキの攻撃は ヘイト値を貯める様で、タゲを変えら
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