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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第222話 霜巨人の最後
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苦労だった、重量武器を容易く受け止めてしまったのだ。

 そして、次の瞬間だった。

 フレイヤは、重量に耐え兼ねる様に、身体を丸めた。長い金色の髪が流れ、身体も小刻みに震える。


「…………ぎる…………」


 凡そ、先程までのフレイヤの声とは思えない程の低く重さのある囁き。

 それが、先程キリトが放った雷と連動したのだろうか、周囲に突然雷雲が現れたかの如く、雷が暴れ狂う。

「……なぎる………みなぎるぞ…………」

 その台詞は、フレイヤの姿とは全くを持って、そぐわない。

 正直な感想をいえば、女性陣であっても、この場にいる沢山女性プレイヤー達全員が敵わない。その身体付きまでを含めた全てが上回っている、と思えていた。スリュムが言っていた『九界にまで轟く美貌』と言うのは全くを持って頷ける。
 それ程の美貌を兼ね備えた魔女にはあるまじき台詞だ。空耳であったのか、或いは気のせいか、と一瞬思ったが、それは間違いない事を改めて教えられた。


「みな……ぎる、みなぎるぞ……ぅぅぅぅぅぅぉぉぉおおおおおおオオオオオオオオ――――ッ!!!!」

 
 今度は大声量。
 地を轟かす勢いで放たれる絶叫は、最早先程まで 或いはこの戦いの前の助けを求めるか弱い声、お礼を言う時の澄み切った声、全てがフレイヤのものではなかった。






「――……漸く、か。――フレイヤ、それに兄の剣(・・・)、か。どうやら当たりだ」

 
 恐らく、この場で数少ないフレイヤの正体を予想していた者の内の1人が、豹変した声と明らかに空気が変わったのを肌で感じ取った。

「スリュム、フレイヤ……、盗まれた宝……。やっぱり!」

 リーファも、沢山読んでいた物語の1つであり、思い出すのにはなかなか時間がかかったが、それでも思い出せそうで、出せないもどかしさから、解放され 笑顔を見せた。
 
 そして、それが自分たちに福音をもたらしてくれる事も、感じ取れたのだ。




 そんな、穏やかな表情さえしている2人とは真逆も真逆。




 もう1人、圧倒的な速度で、フレイヤの変貌を感じ取った男がいたのだ。
 それは、スリュムと対峙していた為、決して眼を逸らしたり出来ない状況だったと言うのにも関わらず、フレイヤの白いドレスが粉々に引きちぎられた瞬間に、()は振り返ったのだ。

 それは、システム外スキルの中でも、難易度が高い、と評価の高い秘奥義《超感覚(ハイパーセンス)》に酷似していた。

 体現した男の名はクライン。

 侍の魂を持つ、火妖精族(サラマンダー)のサムライマスター。
 決して、邪な気持ちがあった訳では無い。それは、表情によく出ていると言える。クラインは、眼
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