暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第222話 霜巨人の最後
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 シノンの見事なまでの身のこなし、GGOの世界では防御スキル全切りの狙撃手(スナイパー)として、近接アタッカー型に肉薄されれば、只管逃げなければならない筈なのにも関わらず、あの超級のBOSS、スリュム相手の立ち回りは 舌を巻いてしまう、と言えるだろう。

 シノンの回りを皆が取り巻いてしまうのも頷ける。それ程までのパフォーマンスだったのだから。

「(……GGOで、リュウキと何度か共闘してた、って言ってたし、だからかな? ユイと一緒とは言え、見切る感じがリュウキに凄く似てる……)」

 キリトは、回復ポーションを呷っている間も、そう感じていた。

 そして、前衛にリュウキも上がってきた事で、前衛の攻撃も大分安定すると思えるが、攻撃魔法の使い手が、フレイヤのみになってしまう。だから、魔法による纏まったダメージを与えるのが難しくなる可能性があるのだ。
 それ程までに、フレイヤの魔法とリュウキの魔法は優秀だったから。

 だが、リュウキの言う様に、スリュムのパターンが大幅に変わった。あの隕石魔法も二度通じるとは思えない、と言う点が大きい。

 現にこのスリュムヘイム2層の魔法耐性が高い方の牛も、隕石をあっさりと防いでしまった。その上の存在、最後の大ボスであるスリュムが、2度目も通じるとは思いにくいし、頼りすぎるのも危ないだろう。
 だが、リュウキが前衛に来る事でのメリットの方も大きい。
 前衛が安定する以上、攻撃の効率も良くなってくる可能性も高いのだ。以前にもリュウキが言っていた通り、一撃のダメージ量は確かに劣るかもしれないが、それでもソードスキルを併用した接近戦の方が、邪神モンスターを倒すときは効率が良かったから。何より接近戦での細かな指示を考えたら、リュウキは かなり優秀だから。

「……よし、攻撃用意を」

 キリトは、自分のHPとメンバーのHPを確認。8割以上まで戻ったHPゲージを見て、視線を外した。そして、リュウキをチラリと見る。リュウキも頷き、いざ決戦! と行こうとした時。

「剣士様」

 不意に傍らから声がしたのだ。多少なりとも驚いたが、それを隠しながら、振り返ると、そこに立っていたのは、アスナやレイナの傍にいるであろう、と思っていたフレイヤだった。どうやら、後衛から前に出てきたのは、リュウキだけじゃなかった様だ。

「それに、私の兄上の剣と同種の神の剣をお持ちの剣士様。――……剣士様達と、神の剣で総攻撃をしたとしても……、それだけでは、スリュムを倒すことは叶いません。望みはただ1つ、この部屋のどこかに埋もれている筈の、我が一族の秘宝だけです。あれを取り戻せば、私の真の力もまた、蘇ります。神剣と私の力が合わされば、スリュムをも退けられましょう」

 キリトは、その言葉を訊いて、大いに迷
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