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黒を纏う聖堂騎士団員
17.狂気な女
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ラル?死んでいる?
真逆な単語・・・

引っくり返す!?」

ククールは這いつくばるように資料に食らい付きました。
何故今なんでしょう。早めに思い付けば、エイトに感心させられたのに。
よくタイミングをずらすククールさん。
いつかはヅラもずらしてください。
そして・・・

「兄貴の大馬鹿野郎!!」

これがマイエラ修道院で最後に響いたククールの声でした。
出来上がった魔法陣を眺めながら。










「おいこらヤンガス。
あんたはまた物、壊してんのかい」

パルミドでなんだかいいカップルが歩いています。
ゲルダにヤンガスです。
パルミドで何をしているかというと、単純に買い物です。
ヤンガスが荷物持ちなのは見て分かります。
パルミドの街中で意外なことに、手配書が落ちていました。
一枚はマルチェロのようです。

「あぁ、ククールのあにきでやんすね。
クロノスたちが見つけてりゃあ、ニノ様には悪いがみつからねぇな。」

「ん?もう一枚あるじゃないか」

ゲルダは顔の一部が擦りきれた手配書を拾いました。
その顔はすこしばかりクロノスに似ています。
二人は指名手配にされたかと焦りましたが、名前は違うようです。

「そういや〜クロノス、いいペンダント持っていやがったな。」

「へぇ〜いくらで売ってくれるかね」

なぜか買い取る気充分なゲルダさん。
ビーナスの涙で勘弁してくださいよ、姉貴!!
あれ、巨大な梯子を作れば取れそうだったのに。

ヤンガスは異質な視線に気付き、視線の先に目を向けました。
見知らぬ女がゲルダに弓矢を向けているのです。
さすがはヤンガス。口より体が先でした。
飛んできた矢を斧で防ぐという男前な姿を見せました。
あれ、ククールより素早い?

「あぶねぇ!!あんちゃろ!!
ゲルダのこと狙いやがって」

「はぁ!?

・・・・・・あんた、荷物落としてどうすんだい」

「命の方が大事だろうが!!ザオラルかけれるやついないんだぞ」

「メガザルでいいじゃん」

「あっしに死ねと!?」

二人は危機感なく喧嘩を始めました。
そして気づきませんでした。
あの女が手配書の女と同じ人物であると。

女は狂いながら言います。

「生は苦しみ。死は永遠。」
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