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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第一話 小伊坂 黒鐘のプロローグ
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続きしてきたばかりなんだ。 だから正式に生徒になるのは明日だ」

 クラスは分からないし、どんな人と出会うかも不明。

 一応担任の先生は紹介されてるから明日になれば何もかも分かるだろう。

 ……と、言った所で俺はあることと思います。

「あぁ、そう言えば、まだ自己紹介してなかったな」

 いくら学生同士とは言え、このまま名乗らずにっていうのも年上として礼儀知らずになってしまうだろう。

 俺は一度姿勢を正し、改めて名乗る。

「俺は小伊坂 黒鐘(こいさか くろがね)。 明日から私立聖祥大学付属小学校の四年生として転入することになった。 よろしくな」

 そうして俺は彼女の利き手に合わせて左手を差し出す。

 先ほど抱きとめたとき、彼女の筋肉や神経の動きの良さが左に多少偏っていたから左利きなのだろうと察していた。

「私は高町 なのは。 私立聖祥大学付属小学校の三年生です。 こちらこそ、よろしくお願いします」

 彼女……高町は、俺の左手を握り返してにっこりと微笑んだ。

 うん、握り締められた強さと言うか、握力の入り方からして左利きで当たりだろう。

 とまぁ、そんなどうでもいいことに喜ぶ自分に呆れつつも、俺は高町につられるように笑みをこぼした――――はずだった。
 
「それで、高町はどうしてあんな寂しそうにしてたんだ?」

 あれ?

 なんで今、俺はそんなことを聞いたんだ?

 今、不思議なことが起こったんだ。

 ただ笑おうとして、声が出た。

 表情も固くなって、本心とは違うことをしていた。

 なんで……なんで?

《マスター、少々踏み込みすぎなのでは?》

「……ああ、ごめん。 気が利かなかったな」

 謝罪し、慌てて頭を下げる。 

「初対面の相手にそんなことを聞くなんてどうかしてるよな。 今のは気にしなくていいから」

「は、はい……分かりました」

 苦笑気味に謝る俺に彼女は上手く返事ができず、顔を逸らされた。

 無理もない。

 急に変なこと聞かれたと思うだろう。

 俺自身、高町と同じ立場だったら同じ反応をしてただろうし。

 互いに言葉を探している気がするけど、気の利いた言葉は何一つ出てこなくて。

「……と、ごめん。 これからちょっと用事があるから俺はこれで失礼するよ」

 結局、俺は逃げるようにその場を後にすることにした。

 失礼な奴だと思われてしまっただろうか?

 なんて、今更ながら後悔しつつも、俺はなんとか笑みを取り繕って走り去ろうとした。

「あ、あの!」

 そんな俺を止めるように、高町は呼び止めた。

 俺は立ち止まり、なんだ? と聞いた。

「その……ま、また
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