1部分:第一章
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言う夫だった。
「この子の顔な」
「顔って」
まだ足下にまとわりつく様に擦り寄って来る猫を見た。するとだ。
猫も顔を見上げてきた。そしてだった。
その丸く黒い目で見上げてからだ。こう言ってきたのだった。
「にゃあ」
するとだ。その小さい口が開いてだ。
そこから牙が見える。だがその牙がだ。
小さく実に可愛らしくだ。妻はその顔をさらに綻ばさせて言ったのだった。
「まあ確かにね」
「可愛いよな」
「このお口が可愛いわね」
「お口だけじゃないんだよ」
夫は妻の足下、つまり猫のところに来てだ。その背中を擦りながら述べた。
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