暁 〜小説投稿サイト〜
龍が如く‐未来想う者たち‐
秋山 駿
第三章 手駒と策略
第二話 反逆
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驚愕する事態だった。
喜瀬は遥が秋山の元に戻ったのを見届け、そしてまた形相が変わる。
その怒りは、足立に向けられていた。


「言ったよな?俺は、女子供は傷付けねぇ主義なんだよ。ましてや(チャカ)向けるなんて、最低な野郎だな」
「お、おい喜瀬……7代目にあと一歩でなれたんだぞ?それをみすみす逃すなんて……」


足立を見下ろす喜瀬はわざとらしく大きな舌打ちをし、遥がさっきまで座っていた椅子を蹴り上げた。
大きな音をあげ、壁に激突した椅子は、無惨にボロボロになり地に落ちる。


「秋山」
「な、何ですか……」
「嬢ちゃん巻き込んで悪かった。足立と結託してこんな事してしまったが、もう嬢ちゃんには手を出さない。約束する」


今までの横暴な喜瀬から一転、性格が180度入れ替わってしまったと思う程、その言葉に違和感がある。
だが秋山に向けた微笑みが、嘘を吐いた人の顔に見えなかった。


「行け。俺が足立に説教してる間に、ヒルズから出ろ」


今はその言葉を、信じたかった。
大吾が頷くと、秋山を支えながら遥と共にエレベーターへと向かう。
背後から数発の発砲音が鳴り響くが、振り返らずに歩き進めた。
最後に聞こえた喜瀬の叫びが、最期ではない事を祈って。

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