暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX−音速の機械戦士−
―パートナー―
[6/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
俺の疑問の声が重なった。その言葉の返答のように、レイは俺に向けて指をビシリと向ける。

「好きな者は力づくで振り向かせる! それが恋する乙女の心意気なんだから!」

 宣戦布告のようにレイはそう告げると、今は明日香がいる元々のフィールドへと戻っていく。その途中で入れ替わりになる明日香と、二人は少しばかり向き合った。

「ありがとうございます、明日香さん。おかげさまで心意気を思い出しました!」

 こんなカードに頼ってるんじゃなくて――と、レイの言葉は続いた。それを微笑みでもって明日香は返答をすると、二人は元のフィールドへと戻ってきた。レイのターンから明日香のターンにはなったものの、もう通常召喚の権利は裏側守備表示モンスターのセットで失い、明日香の手札にも展開出来る手段はないらしく。実質、ターンがまたもや飛ばされたように等しかった。

「ねぇ遊矢。私、ちょっと怒ってるわ」

「え?」

 再び隣に立った明日香だったが、いきなりそんなことを呟いた。嫌な予感がしてゆっくりと明日香の方向を向くと、無表情でただただ剣山とレイのフィールドを見つめていた。むしろ怖い。

「あなた、《パートナーチェンジ》を破壊出来るのにしなかったわね?」

「……それはそっちの話じゃないのか」

 《サイクロン》で《パートナーチェンジ》ではなく、俺のリバースカードを狙ったのは明日香の方だ。しかしその反論は、明日香が早口で言いだした言葉に続くことはなかった。

「装備魔法をサーチ出来る《アームズ・ホール》。これであなたのデッキにある、魔法・罠カードを破壊出来る装備魔法《パイル・アーム》をサーチ出来たわよね?」

「…………」

 ぐうの音も出なかった。明日香の言った通りに《パイル・アーム》は、フィールドの魔法・罠カードを破壊する効果を持つ装備魔法であり、先のターンに発動した《アームズ・ホール》があればサーチ出来ていた。

「……まあ、その話はあとにしましょう。それより、この状況をどうするか考えないとね。私は、カードを一枚伏せてターンエンド!」

「あ、ああ……」

 《パートナーチェンジ》が効力を失ったことにより、またもやフィールドが劇的に変更される。俺と明日香のフィールドは、レイが残していった裏側守備表示のセットモンスター――確認すると《トリオンの蟲惑魔》だったが、俺たちのデッキでは有効活用は出来ない。さらに、明日香が今伏せたリバースカードのみ。

 剣山とレイのフィールドには、明日香が儀式召喚した《サイバー・エンジェル−荼吉尼−》。悪手と思われたレイの手は、そのまま俺たちが打った悪手として残っていた。自分の妹分ながら最後まで抜け目のない。

「何が何だか分からんザウルスが……オレにはオレの出来るデュエルをするだけザウル
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ