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鎮守府の床屋
前編
10.祭だ祭だっ!!(前)
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んのスイートハニーの隼鷹がか。なんか意外だな。日本酒飲みながら『ひゃっはぁあああ!!』ってしてるイメージしかなかったから。

「ああ見えて隼鷹はお嬢様だから着付けはお手の物クマ。毎年隼鷹にやってもらってるクマね」
「当の本人は浴衣を着ないっつーのになぁ」
「気合が入った服ってのはあまり好きじゃないみたいクマ。カクテルドレス着たこともあったけど、本人嫌がってすぐ脱いでたクマね」
「……カクテルドレス着るような機会があったことに驚きだよ」
「提督夫人的な感じで。なんかすんごく様になってたけど、鎮守府戻ってからすぐ着替えてたクマ」

 ひとしきり雑談を終えた後、球磨は『そろそろ浴衣を着るクマっ』と言い残して店を後にした。球磨の浴衣姿か……うなじもしっかり見せてないし、どうせ浴衣を来てもちんちくりんだろう。

――準備が出来たら北上と誘いに来るから、ここで待ってるクマ!

 そんなことを言っていたから、似合ってなかったら盛大にちゃかしてやろう。

「よぉおおおおし!! 残り1時間でやきそば準備だぁぁあああ!!」

 提督さんが、たくさんの荷物を積んだリヤカーを引いて、祭会場の中庭に駆け抜けていく姿が見えた。手伝おうかとも思ったが……

「やきそばだぁぁああああ!! 待ってろよぉぉお!!」

 ねじり鉢巻をして祭りのハッピを着て、満面の笑顔で駆け抜けていった提督さんを見てると、無理に手伝ってしまって提督さんの楽しみを奪ってしまうのもなんだか忍びない気がした。第一、球磨との約束もある。俺はこのまま、球磨と北上が見せに来るのを待つとしよう。

 祭が、もうすぐ始まる。



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