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鎮守府の床屋
前編
10.祭だ祭だっ!!(前)
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そら私の目も冴えるわ。さすが商船改装空母だねぇ隼鷹ニヤニヤ」
「〜〜ッ?!!」

 ついに隼鷹は堪忍袋の緒が切れたのか……

「提督〜。ちょっと外行こっか〜」
「ぉお! 俺の天使隼鷹の頼みとあらば、地獄までついていくぞ!!」

 と提督さんとともに外に出て行った。その直後……

『ものどもかかれぇえええ!!!』
『ぎやぁぁぁあああああ?!! 俺は隼鷹の可愛さを……グホッ……皆に……ガフッ?!』

 という戦闘意欲満々の隼鷹の咆哮と、ブゥウウンというプロペラ機が飛び立つ時のような音、そして爆発音に紛れて提督さんの悲鳴が聞こえてきた。その悲鳴を聞いた川内は『いいな提督〜……夜戦してる……』と物欲しそうな眼差しで外に続くドアを眺めていた。

「平和だなぁ〜……」
「ピースフルだねぇ〜……」

 俺と北上は急にスローペースになった時間の中で、息を合わせてこう呟いた。平和だ……ここが激戦地とは思えないほどに……確かにこいつらしょっちゅう戦いに出向いてはちょくちょく怪我して戻ってくるけど……平和だなぁ……。

「いつぞやのようにハルの背中に張り付いてやるクマ……ハルの身の安全は球磨が守るクマァ〜……」

 知らないうちに俺の背後に周り、俺の背中に抱きついてアホ毛で俺の頭をつっついてる球磨さえいなきゃ完璧だったんだがな……。抱きつくのはかまわんけど背中に頬ずりするのはやめてくれるか球磨?

「ハル〜。この球磨が根性を叩きなおひてやるクマァ〜……んー……いい匂い……」
「意味わからん……そういやさ。暁ちゃんはともかくビス子は1回も顔見せてないよな」
「ビス子も暁と同じで、任務がない時は9時を過ぎたら眠くなるタチだからね。まぁ私はいつも眠いけど」

 夜9時過ぎたら眠くなるって、どんだけ小学生なんだよ……ヘタしたら幼稚園児レベルだぞ……。この前の肝試し探索の時は恐怖と緊張で目が冴えて眠れなかった的な感じだったのか?

「前に1回、加古と一緒にビス子を無理やり連れてこようとしたことあるんだよ」

 と北上が遠い目をして語り始めた。なんつーかその人選が間違ってる気もするけどな。

「そしたらさぁ……『あら……私は遠慮してお……くわキタカ……ミ……お肌が……スー……スー……』て寝始めちゃってさ」
「そしたら私も眠くなっちゃって、その日はビス子の部屋で寝たんだよね〜……」

 それ、ただの加古二号じゃねーか……。

「またそんな失礼な……あ……ヤバ……」

 おいおいこんなに話が盛り上がってるところでも寝ちゃうのか……

「ごめ……明日も……あるし……もう……ねか……せ……クカー……」
「ダメだコリャ……」

 おれは今まさに倒れ伏してしまう加古の頭のところにクッションを敷いてやり、加古が気持
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