それが君の”しあわせ”? その3
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ずぼっ、ぬっこぬっこ……と擬音が付きそうな動きで鼻をほじったゴリアンヌは、はなからゆっくりと指を抜く。その指の先端には、何を食べたらあんなの出来るんだろうと思うくらい黒い特大のハナクソが付着していた。
ぞぞぞぉっ!!とその光景を見た全員の背筋に悪寒が奔る。
一部の人に到ってはうめき声を上げて目逸らすほどの衝撃映像だったが、さらに衝撃的なのがその後だった。
べちょっ、ぐりぐりぐり………と、ゴリアンヌはハナクソを目の前に並んでる男性の顔面に押し付けたのだ。
(うわぁぁぁぁぁぁーーーーーッ!!!)
「ぎゃぁぁぁぁぁああああああーーーッ!!!」
悟子が余りの汚さに内心で悲鳴を上げると同時に、ハナクソダイレクトを受けた男性は断末魔のような悲鳴をあげる。そして、余りの精神的ダメージを受けた男性は白目をむき、泡を吹いて先ほどの男性のように倒れた。
「グフフフ……一分一秒でも早くこの店のラーメンを食べるために、アンタラ邪魔なのよ」
よく見ると彼女の後ろにも無数の犠牲者が倒れ伏している。可哀想に、彼らは悲鳴をあげることも許されない程恐ろしいショックを受けたのだろう。どうやら途中から割り込みをしたらしいが、彼女の後ろに並んでいる客は恐怖のあまりに一歩も前に出ることが出来ていない。
「う……うわぁぁぁぁぁッ!!」
「ヒィィィィィィィッ!!」
眼前で繰り広げられた恐怖映像に、ゴリアンヌの前に並んでいた客が一斉に逃走する。ラーメン一杯を食べるためにハナクソダイレクトを受けるぐらいなら日を改めて食べる方がマシだと考えたのだろう。悟子も全く以て同意見である。
「ま、まずいよ間宵!あの人こっちに近づいてる!!私たちも急いで逃げよう!!」
「うへへへへ〜〜〜……らーめぇん……らぁめぇ〜ん」
「だ、駄目……!空腹の余りラーメンの事しか考えてない!!」
ずしん、ずしんと恐怖が迫っているにも拘らず、間宵は悟子の声が丸で届いていないかのように列に並び続ける。後ろの恐怖映像に気付かせようと肩を揺さぶったりもするのだが、一種のゾーンに突入した彼女は全く列をどく気配がなかった。
「グフフフフフフフ…………身の程知らずの小娘が二人も残ってるわねぇ」
(ひぃぃぃえぇぇぇぇぇぇぇっ!!め、目をつけられてるしぃぃぃぃぃ〜〜〜〜ッ!?)
ゴリアンヌはこちらを見てまるで獲物を見つけたようにニタァッと笑って鼻に指を突っ込む。間違いない、このまま悟子たちにハナクソダイレクトをお見舞する気だ。あの鼻どんだけハナクソ入ってるんだろうか……もしあんなものの直撃を受けたらさしもの間宵も2,3日は寝込むだろう。それだけ恐怖な上に非常に汚い攻撃なのだ、あれは。
(もう一人で逃げる――!?だ、駄目……間宵ちゃんを置いていくわ
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