episode5 ーH・E・R・O Flash!!ー
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「さて、飯を食ったことだし。行くか!」
「ど、どこに?」
ーーどこにってそりゃあ……
「デュエルしに行くんだよ!レンカと!」
「やっぱり、わかっていなかったぁぁ!?」
◆◇◆
十代が遅めの朝食をとっている頃、華蓮もまた女子寮の食堂で楓に焼いてもらったフレンチトーストに舌鼓を打っていた。
「ん〜〜!中ふわっ、外サクッ。この蜂蜜の甘さが絶妙で……とっても美味しいです、楓さん!」
「えぇ、そんなに喜んで貰えるとこっちも作り甲斐がありますね。どうぞ、お飲み物です」
淹れて貰ったコーヒーを一口。これもまた、芳ばしくて甘いトーストによく合う。
ナイフとフォークでフレンチトーストを切り分け、また一口。優しい甘さが口いっぱいに広がって思わず、頬が緩んでしまう。
「あらら、花も恥じらう女子高生が……なんて表情してんですか」
「えへへ、美味しいです」
いつもならこんな表情、恥ずかしくて他人に見せられないが、今日は週末。新商品が発売されているらしく、他の女子生徒は早々とショッピングに出て行っており、また遅めの朝食のため食堂には、私と楓さん以外にはいない。
朝食というかブランチを楽しんでいると、腰ほどまである金色の御髪を整え、きっちりと制服に身を包んだ女性が食堂の扉を開け、入ってくる。
確認するまでもなく、天上院 明日香先輩だ。
起きたばかりのようで欠伸を噛み締めつつ、こちらへと進んで来た。
「ご機嫌よう。華蓮さん。朝食はフレンチトーストかしら?」
「おはようございます!楓さんが作ってくれたんです。とっても美味しいですよ」
「……楓さん?」
気づいてなかったようで、両手にトーストが盛られたお皿を持った状態の楓さんを見て、一瞬驚いたような表情をする。だが、すぐに平静を取り戻すと頭を下げ、挨拶を交わした。
流石、先輩。挨拶が淑女の見本のような振る舞いだった。……視線が楓さんの持つお皿に注がれてなければ。
楓さんも明日香先輩の視線に気がついており、やれやれと首だけを振った。
「はぁ〜、そうなると思ったんで焼いてありますよ。飲み物は自分で用意してくださいね」
「ありがとうございます」
明日香先輩も席についた後、他愛もない会話を交えつつブランチを楽しんだのだが、平穏な時間はそう長くは続かなかった。
『おジャマしまっ〜〜す!』
『あ、兄貴!不味いザウルス!女子寮は男子禁制だドン!』
『そ、そうっすよ!こわ〜い女王様にとっ捕まって湖に沈められちゃうっすよ!?』
エントランスから陽気な声音が響き、それを必死に止めようとしているのが二人。声の調子から男子な事は明白だ。
何事かと思っていると、向かいに座っていた明
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