暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第九十九話
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だけど……なにか悩んでるなら、ボクが相談に乗るよ! ほら、今二人しかいないし、言いにくいことでも……ほら、ボク口堅いから!」

「……フフ」

 ……とはいえ、誰かの相談相手になるような経験はなく。でも放ってはおけず、しどろもどろになりながらも説明するユウキに、レインはツボに入ったかのように笑いだした。

「ボクはま、真面目なんだから! 笑わないでって!」

「だって、フフ……ごめんごめん。ちょっとおかしくて」

 ユウキ本人もおかしいのは分かっていたのか、レインに笑われて身体が小さくなっていく。そしてレインは少しの間ひとしきり笑った後、顔を赤く染めながらそっぽを向いたユウキの頭に、ポンと手を置いた。

「いや、本当にごめんごめん。うん……私ね、ユウキちゃんみたいな妹がいたんだ」

「……妹?」

 ちょうど髪の毛も同じくらいの長さだったかな――と、レインはユウキの紫色の髪の毛を触りながら呟いた。怪訝そうな表情で問い返してきたユウキに、レインはさらに言葉を続けていく。

「ちっちゃい頃に会えなくなっちゃって、もう私のことを覚えてるかどうかも分からないんだけどね」

「…………」

 神妙な面もちでレインの言葉を聞くユウキからぞっと離れ、レインはスッキリしたとばかりに身体を伸ばす。……それでも、ユウキから掴んだ手だけは繋いだままだったが。

「うん、聞いてくれてありがとユウキ。……ちょっとスッキリした」

「会えるなら……」

「え?」

 聞こえるか聞こえないか、もしかしたら気のせいだったかもしれない、その程度の音量でユウキはそう呟いていた。いつもの明るさを微塵にも感じさせないその態度は、本当にユウキかと付き合いの短いレインは考えてしまうほどに。

「……会えるならさ、会った方がいいよ。妹は多分、どんなことがあってもお姉ちゃんを忘れないから」

「ユウキ……?」

「なんてね? 事情を知らないボクが言うのも、その……なんだけどさ」

 レインが疑問の声を発した瞬間には、いつものユウキの調子に戻っていて。流石に話の内容から、いつもの明るい調子とはいかなかったが、それでもユウキらしく助言してくれた。

「ううん……ありがと。あ、見てよアレ!」

 そして遂に岩のトンネルのような場所から、突如として神殿のような場所に景観が移る。エクスキャリバーがある場所にでもたどり着いたか、と二人は身構えるものの、特にこれといって特別なものは何もなく。とはいえ、奥の方に進んできたのは確かだと言えるだろう。

「もしかして、エクスキャリバーがあったりするのかな!」

「確かにだいぶ歩いたけど……」

 流石に正規のルートでもないところから、敵に一体も合わずに最奥までたどり着く、とい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ