第九十九話
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だけど……なにか悩んでるなら、ボクが相談に乗るよ! ほら、今二人しかいないし、言いにくいことでも……ほら、ボク口堅いから!」
「……フフ」
……とはいえ、誰かの相談相手になるような経験はなく。でも放ってはおけず、しどろもどろになりながらも説明するユウキに、レインはツボに入ったかのように笑いだした。
「ボクはま、真面目なんだから! 笑わないでって!」
「だって、フフ……ごめんごめん。ちょっとおかしくて」
ユウキ本人もおかしいのは分かっていたのか、レインに笑われて身体が小さくなっていく。そしてレインは少しの間ひとしきり笑った後、顔を赤く染めながらそっぽを向いたユウキの頭に、ポンと手を置いた。
「いや、本当にごめんごめん。うん……私ね、ユウキちゃんみたいな妹がいたんだ」
「……妹?」
ちょうど髪の毛も同じくらいの長さだったかな――と、レインはユウキの紫色の髪の毛を触りながら呟いた。怪訝そうな表情で問い返してきたユウキに、レインはさらに言葉を続けていく。
「ちっちゃい頃に会えなくなっちゃって、もう私のことを覚えてるかどうかも分からないんだけどね」
「…………」
神妙な面もちでレインの言葉を聞くユウキからぞっと離れ、レインはスッキリしたとばかりに身体を伸ばす。……それでも、ユウキから掴んだ手だけは繋いだままだったが。
「うん、聞いてくれてありがとユウキ。……ちょっとスッキリした」
「会えるなら……」
「え?」
聞こえるか聞こえないか、もしかしたら気のせいだったかもしれない、その程度の音量でユウキはそう呟いていた。いつもの明るさを微塵にも感じさせないその態度は、本当にユウキかと付き合いの短いレインは考えてしまうほどに。
「……会えるならさ、会った方がいいよ。妹は多分、どんなことがあってもお姉ちゃんを忘れないから」
「ユウキ……?」
「なんてね? 事情を知らないボクが言うのも、その……なんだけどさ」
レインが疑問の声を発した瞬間には、いつものユウキの調子に戻っていて。流石に話の内容から、いつもの明るい調子とはいかなかったが、それでもユウキらしく助言してくれた。
「ううん……ありがと。あ、見てよアレ!」
そして遂に岩のトンネルのような場所から、突如として神殿のような場所に景観が移る。エクスキャリバーがある場所にでもたどり着いたか、と二人は身構えるものの、特にこれといって特別なものは何もなく。とはいえ、奥の方に進んできたのは確かだと言えるだろう。
「もしかして、エクスキャリバーがあったりするのかな!」
「確かにだいぶ歩いたけど……」
流石に正規のルートでもないところから、敵に一体も合わずに最奥までたどり着く、とい
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