前編
9.季節外れの恐怖
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!!」
「張り倒したきゃ張り倒せ! その代わり次張り倒したらこの場でお前を下ろすからな!!」
「う……イヤだクマ……」
「川内もむやみに探照灯を点けるな! いざってときにとっておけ!!」
「ぶーぶー!!」
くっそなんだこいつら!! ただの小学生たちの肝試し初体験じゃないかッ!! 軍人じゃないのかっ常日頃命がけの戦いをしてるんじゃないのかッ!! ……ハッ?!
――球磨だけであいつらを統制するのは無理がありそうだ……ニヤリ
まさか提督さんは、このことを予見して俺にこいつらの保護者を頼んだとでも言うのかッ……?!
そうして俺が、三人のフリーダム過ぎるデカい小学生女子どもに手を焼き、探索開始から30分と立たずに疲れ果てた頃のことだった。
「……ちょっと待て」
「ん?」
「クマ?」
「ちょっと何?! 子泣き爺が出たの?!」
「今なんか光ったぞ?」
俺達の間に緊張と、約一名の背中に悪寒と恐怖が走った。俺は見た。俺から見てずーっとまっすぐ前に……ゆらっと動く光のようなものが……
「いやぁああああ?!! 洗われる! あずきあらいに私の肉体がッ?!!」
「落ち着けビス子!! 球磨、なんか見えたか?」
「球磨には何も見えなかったクマね」
「川内、ちょっと探照灯で前を照らしてみてくれ」
「りょうかいしたよ!」
俺の指示を受け、川内が再び探照灯のスイッチを入れて前方を照らした。探照灯の光の強さは相当なもので、俺達の前方を真昼のように明るく照らしだす。でも、怪しい物はなく、怪しい人影もない。
「なにもないね……」
「仕方ない。先に進むか。ビス子、怖かったら帰るか?」
「い、いやよ……私がいないとハルもこわいわいわいわでしょしょしょ?」
「……分かった」
俺しか見てないとはいえ、見間違いや気のせいとも思えない。ならば任された以上、ここで見なかったフリをするわけにもいなかい。確認しなければ……俺達はそのまま先に進み、俺が見た光の正体を突き止めることにした。
「クマ……」
相変わらず俺におんぶされたままの球磨が、俺の背中でなんだかごそごそやっている。
「球磨?」
「念の為クマ」
球磨はそう言いながら、自身が持ってきていた艤装の単装砲を構えていた。正体を確認するということは、ひょっとすると戦闘に発展するかもしれないということか……。
「もしもの時は頼むぞ妖怪アホ毛女」
「ハルは球磨が守るクマ。ハルは黙って球磨をおんぶしてればいいクマ」
おんぶのくだりがなければ、ものすごく頼りがいのあるセリフだったんだけどなぁ……
しばらく先に進んだところで、再びゆらっとうごめく怪しい光が見えた。今度は割とハッキリと見えたが……
「また光った! 今度
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