第10話 眼
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などに一気に激突していき、壁に叩き込まれた
サソリは刺された脇腹を庇うように歩きだして白井の元へと移動する。
そして白井の顔に触れると、顎を掴んで自分が覗きやすいように白井の顔を動かした。
「な、なにをしますの?」
「これくらいの傷なら、残らねえな。あとは大丈夫だろうな」
とサソリは白井の擦り傷と汚れを指で拭い去る。
肩のようす、頭の具合等、白井のケガの状態を心配するかのように入念に視線を転がす。
まあ、白井も男性に身体を触られることには慣れていることはないので……
「気安く触るなですわ!」
「なぜ殴る?」
と白井のパンチをサソリは頬で受けるが、さきほど切られた刺し傷から血が滲みでた。
「えぇ!!血、血が」
「あー、そういえば切られたな」
サソリは手をかざしてチャクラ糸で傷口を軽くしばった。
よ、よく見たらボロボロじゃないですの
傷だらけの身体に、ヨレヨレの外套に滴る血液が床にポタポタと
「さ、サソリ!あなた」
「大丈夫だから心配すんな」
サソリは、白井が庇っている脇腹に手を伸ばした。
白井の脇腹に触れると、白井の顔が痛みで歪んだ。
「う!?」
「ん!?ここか」
サソリは反応があった脇腹を慎重に手で覆った。
「……骨に異常はねえみてーだな。打ち身だ。はぁー良かった」
患部に触れた時の反応や、負傷箇所のようすから正確にサソリは白井の状況を分析した。
「よし、目立った外傷なし。もっと自分の身体を大切にしろよ」
サソリは白井から手を放したが、そう言っている本人は顔色が白く、口から血を滴らせている。
「そういうあなたこそ」
「オレか、オレは別に良いんだよ」
と口元の血を拭う。
私のことが心配でここまで来たんですの……?
白井はサソリの行動に頭の中がこんがらがっていた。
今まで、ジャッジメントとして数々の任務と遂行してきたが、こんなに男性に心配される経験は皆無に等しかった。
白井の顔が少しだけ赤く染まった。サソリの気だるい顔を横目で見ても胸が高鳴ってしまう。
ち、ちちちちちちち違いますわぁぁぁぁぁ!
わ、私には「お姉様」という素晴らしい御方がいらっしゃるのに
こんなデリカシーの欠片もない子供になんてトキメクはずが
白井は顔を真っ赤にしながら
「わ、私にはお姉様という心に決めた人がおりますの!!」
「は?何言ってんだ?」
サソリは首を傾げていると
不良の男がさきほどサソリに投げつけられたコンクリートブロックを手に持ってサソリの後ろから振りかぶっていき、サソリの頭を渾身の力で殴りつけた。
サソリはケガにより周囲の警戒を弱めてしまい、接近に気づくことはなかった。
頭から流血を流しながら床に叩きつけられる。
サソリは倒れ込みながら、不良の男を睨み付けた。
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