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衛宮士郎の新たなる道
第15話 VS血斧王
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サーカーの剛腕たるや、今の威力により土煙はすっかり晴れた。
 そして今の光景を見た士郎は確信する。

 (バーサーカーのあの動きはあり得ない!――――つまるところ、何かの支援か指示若しくは両方の加護を受けてるな)

 士郎も、古今東西全ての英霊のスキルや宝具などを知識として修めているワケでは無いのでハッキリとは言えないが、今現在対峙しているバーサーカーの狂化ランクは低くないと見える。
 バーサーカーであるにも拘らず、普通の意思疎通が可能な程ステータスの底上げには期待できないが、スキルに直感がある場合がある。しかし高すぎればそれは無い。
 ただ、サーヴァントによっては狂化と言う精神状況下でも洗練された動きを見せる英霊もいる。
 その英霊は、士郎のパートナーであったアルトリア・ペンドラゴン(セイバー)の生前の配下である湖の騎士、サー・ランスロット。
 彼の英霊には『無窮の武練』と言うスキルがある。このスキルを持つ英霊は一つの時代に置いて、自身の武練を無双にまで到達させた英雄のみが獲得しえるモノで、心技体の完全なる合一によりいかなる精神状況でも十全の武芸を発揮できる、武において真の英雄のみに許された称号でもある。
 しかしこのスキルは、直感の様な死角からの攻撃には咄嗟に行動しずらい。
 事実、第四次聖杯戦争時に不意打ち気味な征服王の戦車の蹂躙走法や、英雄王の宝剣の射出攻撃には反応出来なかったのだ。
 兎に角、バーサーカーには許されない動きを見せる場合、それらの可能性や味方がいると考えた方が良いのだが、ガイアがバーサーカーに逐一指示できる訳がないなら、何らかの加護の元だと考えるしかないのだった。

 (さて、こうなると厄介だが如何するか)

 士郎は何時バーサーカーに近づかれても言い様に、足を気で強化させながら様子を窺っていた。
 そんな時、あらぬ方向から士郎とバーサーカーの両者にとって、不意打ち気味に間に入って来た人物が来た。
 その人物とは――――。


 −Interlude−


 百代は、鉄心の妨害を振り切って衝撃音が感じられた地点に向かっていると、向かう先の地点の上空に赤黒いオーラが立ち上ったのが見えた直後に、最初の衝撃音以上の轟音が鳴り響いて来た。
 百代の勘が囁いている。
 これは地面を殴った衝撃では無く、強者同士の技のぶつかり合いだと。
 百代としては一番乗りできなかった事に軽い苛立ちを覚えたが、しかしそれも直に喜悦に変化する。

 「・・・最低1人増えた。――――つまり楽しみが倍になった様なモノだな!」

 彼女の楽しそうな笑顔には狂気が孕んでいるように見えるが、その姿は見間違いなく欲しい玩具をほぼ目の前にした子供の様な無邪気さだった。
 これにより彼女はさらに急ぐ。急ぐ理由は勿論
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