第15話 VS血斧王
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「待ってください、ヒューム。私も同行します」
「無謀が過ぎるぞ?魔術師相手なら兎も角、相手が英霊では話にならん」
クラウディオが戦闘に応用できる魔術は、せいぜい変化と言う名の身体強化と、武器である鋼糸に魔力を纏わせるくらいである。
そして魔術も神秘も魂魄の年月の積み重ねが重要で、クラウディオは魔術師としては平凡よりも少し上位でしかない。そんな彼の魔力を纏わせた武器程度では、座にまで祭り上げられた英霊に触れた瞬間に、纏わせた程度の魔力は必然的に弾け飛んでしまうのだ。
その上で攻撃を喰らう事に成れば、もっても二回の攻撃で殺されるのが落ちだろう。
「自分の力不足は重々承知しています。ですからサポートに徹していくのでお願いします」
「チッ、お前ともあろう奴が蛮勇に走ると言うのか」
「今がその時であると覚悟したまでです」
いつも冷静沈着で自分の分を弁えている旧知の完璧執事と目を合わせたヒュームは、珍しく深いため息をつく。
「マープル、コイツが無茶無謀に走ったら――――」
「――――言われずとも使い魔を張り付けて、強制退場させるよ」
ヒュームと同じく溜息をつきながら呆れる口調でマープルが言った。
「私はそこまで信用がないのでしょうか?」
「「当然だ(ろ)」」
声を揃えるマープルとヒューム。
窮地であるから互いの事は大抵知っている。
クラウディオは先に説明した通り基本的に冷静沈着だが、いざ腹を据えると無理無茶無謀な事を今まで何度もしてきたのだ。
それを知っている2人にとって、今のクラウディオはまるで信用ならないのだった。
「ささ、ゆっくりしている暇はありませんよ?行きましょう、ヒューム」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
平時の戦闘時はクラウディオがヒュームを促す事など無い。
これだけでも頭痛を起きた時の様に、頭を押さえたい気持ちに駆られたヒュームだった。
−Interlude−
「この辺りだな」
現地付近に誰よりも早く到達した士郎は、気配を隠しながら奇声と轟音を起こしている場所へ慎重に目指す。
「アレか。・・・・・・予測は出来ていたが、やはりバーサーカー」
「グゥオオオオオオオオ!!」
クレーター付近の木々をなぎ倒しながら、暴れまわりながらも徐々に移動していた。
「これ以上暴れられても周りが荒れ地になるだけだな。ここは手早く終わらせよう」
士郎の片手には何時の間にか黒塗りの洋弓が握られていた。
そしてもう片方は虚空にて弓を引き絞る体勢を取る。
「I am the bone of my sword――――っ!」
士郎や英霊
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