53会合後編
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な学校を作る事です」
良い目標。それが四大魔王全員と、アザゼル、ガブリエル、ヤマト全員の見解だった。
しかし、他の冥界政府の役人達にとってはソーナさんの口にした目標はただのジョークとしか受け取らなかった様で、皆が爆笑し、嘲笑う。
……ヤマトがキレるよ?
「く、くははははははは!!! 何だその目標は! シトリー家次期当主というのは随分とジョークが上手いのだな!」
「平民や下級悪魔、ましてや転生悪魔如きが平等? 冗談にしては随分と笑えるではないか!!」
「そのような戯言、このような戯れの場だからこそ口に出来て良いが、公式の場では口にせん方が良いぞ? ククク……」
悪魔の社会は完全な貴族主義社会、貴族や魔王といった上流階級の上級、最上級悪魔には満足いく教育が施されるが、中級や下級悪魔、それから他種族からの転生悪魔は教育を受けるに値しないとして見下される事が殆どだ。
ソーナさんはそれを何とかしたいと思っているのだが、老悪魔達から見れば気に掛ける必要すら無い者に教育を受けさせるというソーナさんの目標は、戯言にしか聞こえない。
「私は、本気です」
「本気であるのなら、なおさら考えを改めよソーナ・シトリー。たとえ冥界が変革期に入っていようと、上級悪魔が下級、転生悪魔を見定め、下の者は力を示して伸し上がるのが常。上級悪魔は常に気高く、下級悪魔、転生悪魔は常に卑しく、それが悪魔にとっての常識。決して上級悪魔が下の者を教え導くなどあってはならないのだ! それを、乙女の夢物語であっても本気だと口にするなど旧家の顔丸つぶれも良いところですぞ」
二人のヤマトの顔をみると怒りを隠すつもりもない表情を浮かべる。
「サーゼクス・ルシファー様」
「何かな? ヤマト殿」
ヤマトがサーゼクスの名を様&tで口にした瞬間、この場の全員が口を噤んだ。ソーナさんが笑われた事に反論しようとした匙も、それは同様に。
「私は、私やアザゼル様、ガブリエル様はこのような若手悪魔を嘲笑う為の場に態々呼ばれて来たのでしょうか?」
「……ヤマトさんの言う通りです。私も、将来ある若者を嘲笑う場に呼ばれたとあれば遺憾の意を表明せざるを得ません」
「ああ、全くだ。そこんとこはどうなんだ? サーゼクス、セラフォルー、アジュカ、ファルビウム」
ヤマトの言葉にガブリエルとアザゼルも賛同して、魔王の意見を求めた。だが、魔王の誰かが発言する前に空気の読めない老悪魔が『だまれ、新勢力ごときが!』、『下等種族上がり』などのヤジが飛んでくるが、ヤマトが老悪魔のひとりの呼吸を断ち切り、死ぬ寸前まで追い込んだことにより静かになる
「すまなかった。ヤマト殿、アザゼル、ガブリエル、うちの政府の者が大変不愉快なものを見せてしまった」
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