初めての決闘はダンジョンで
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使うことにしようか。
「ぶち殺す!」
硬直が解けたのか、ベートが一直線に俺へと向かってくる。
「くぁ―――」
そして俺に触れる数ミリ前で、ベートは呆気なく飛び散った。
そのすぐ後方にいたフィンに、ベートの鮮血がふりかかる。
「貴様ああああ!!」
「よくもベートを!」
「死ねぇええええ!!」
「あああああああ!!」
なるほど、これが最終突撃命令か。
壮観と言うか、圧倒されるね。
直後に状況を理解したロキ・ファミリアの団員たちが襲い掛かってくる。
全員が全員怒気を孕ませており、濃厚な殺意が俺へと向けられる。
「まぁ、全部無駄なんだけど。
魔法、強制転移」
ロキ・ファミリアの最後尾にいた男と俺の位置を入れ換える。
その直後に、俺に襲いかかったフィン達に切り刻まれる男。
「うわ、仲間を斬るとか、上位派閥ってこんなこともあるんだ。怖いな」
「コルト!」
斬ってしまったフィン一同は状況をつかめずに唖然とし、エルフの女性は斬られた男の名前を呼ぶ。
事切れた男を抱き抱え、俺を睨み付けるエルフさん。
「えー、その人斬ったのあんた達じゃん。
大人として、責任転嫁は良くないよ?」
「全員、撤退だ…」
フィンがかすれる声でそう言った。
「団長!?」
「フィン!」
「撤退だ!早くしろ!」
怒鳴るフィンの声に、慌てて撤退をしていくロキ・ファミリアの冒険者たち。
最後の一人が出口に続く洞穴を潜ったのを確認して、後ろを振り替える。
「あんたは行かないのか?」
何故か動かないフィンに言葉を投げ掛ける。
「…僕はこれでも勇者と呼ばれていてね。
殿と、仲間の敵くらいは取らないと皆に顔向けなんて出来ないのさ」
そしてみんなを撤退させたのは、僕が全力を出すため。
僕には君の突破口が見えている」
フィンは体勢を低くし、前方に寄りかかるように槍構えた。
「突破口ね…」
「団員として、敵として…君を殺す」
「あっそう。じゃあ―――決闘!」
「行―――何!?」
俺の宣言と同時に走り出そうとしたフィンは、何かに束縛されたようにその場に固定され、身動きが取れないことに驚く。
「おいおい、先行は俺だぜ?
魔法、光の護封剣」
フィンを包み込むように無数の光の剣が降り注ぐ。
「さっきあんたは全力を出すとか言ってたが、俺も全力を出したかったんだよ。
ぶっちゃけて言えばその先でやろうとしてた実験だったんだけど、まぁあんたで代用することにしよう」
俺の実験。
それはモンスターの連続召喚である。
今日までに召喚したモンスターと言えば、青目の白竜やピケル等だが、それでも
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