第二話 異変その十二
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「御前はそんな感じだったんだよ」
「あまりいい気持ちじゃないね」
龍馬のその言葉を聞いてだ、優花は少し憮然とした顔になった。
「それは」
「まあ気にするなよ」
「それがいいよね」
「あの人は確かに女好きだけれどな」
「悪い人じゃないんだね」
「あれで紳士って評判なんだよ」
女好き、もっと言えば美少女好きではあるがだ。
「女の子に対してだけじゃなくて男にも優しいってな」
「そういう人なんだね」
「だからすぐに帰っただろ」
「僕が男って言ったらね」
「別に態度悪くもなかったよな」
「悪い印象は受けなかったよ」
彼からはとだ、優花もそのまま答えた。
「あの人からは」
「そうだよな、まあとにかくな」
「あらためてね」
「遊ぼうな」
「今度は何処に行くの?」
「八階行かないか?」
龍馬は微笑んでこう優花に提案した。
「今度は」
「八階っていうと」
「ああ、本屋さん行かないか?」
「ライトノベルか漫画?」
「どっちも面白い作品探してるんだよ」
笑って言う龍馬だった。
「最近な」
「それなら僕知ってるよ」
龍馬の話を受けてだ、優花は彼に明るい顔で答えた。
「じゃあ紹介させてもらうね」
「よし、じゃあ八階行くか」
「本屋さんにね」
八階のそのコーナーにというのだ、こう話してだった。
二人は実際に八階の本屋に行った、そして実際にライトノベルや漫画の自分が面白いと思った作品をだ。優花は龍馬に紹介したが。
その作品達を見てだ、龍馬は微妙な顔になって優花に言った。
「ちょっとな」
「好きじゃないの?」
「ラノベも漫画もな」
そのどちらもというのだ。
「少女的だよな」
「そうかな」
「どっちも純愛系でな」
それで、というのだ。
「甘い位だよな」
「けれどどっちも文章も絵もしっかりしてるし」
「面白いか」
「そうだよ」
「確かにな」
龍馬はライトノベルの文章、漫画の絵を実際にチェックしてから答えた。
「いいな、けれどな」
「それでもなんだ」
「何か女の子的っていうから」
ライトノベルの文章、漫画の絵もというのだ。
「少女漫画的だな」
「ライトノベルの方も」
「ラノベなんてイラストもな」
ライトノベルには付きもののそれもというのだ。
「少女漫画みたいでな」
「合わないんだ」
「ちょっと俺にはな」
首を傾げさせての言葉だ。
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