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SAO オンラインゲームの中で拳闘士は生き残れるのか?
日本の英雄
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一発だろうが、彼にはその腕が無かった。しょせん脅しの道具、本物だが撃ったことは二三度しかない。
完璧に当たるのはせいぜい10メートル。だが、その距離はリーダー格の男と樹の実力さからすれば、近すぎた。
無言。銃を構えた男を見て、無言のまま樹はボクシングで言うタッキングしながら飛びこむダッシュで、弾丸が放たれる前に距離をゼロにしてしまった。
「ひ、ひぃっ!」
経験したことが無かった。強盗犯の男には、世界の頂点に立つボクサーの速さは計算外だったのだ。だから、口から悲鳴が漏れ手が震え、照準が狂う。
ダァンッ!
撃たれた弾丸は、樹の頬に赤い線を描くだけに終わった。
代わりと言わんばかりに、唸りを上げて繰り出されるゼロ距離での拳。
重心移動、腰の回転、肘の角度、速度。どれを取っても一級品のお手本になるような右フックが、完璧に犯人の男の頬骨に当たる。
べきぃ!
乾いた嫌な炸裂音が響く。同時に、右拳を振りぬいた先で犯人の男が血を吐きながら気絶した。
「・・・ふぅ、上手くいったなぁ」
僅か十数秒の間の出来事。たったそれだけの時間で、樹は三人の武装した男を気絶させ、人質を無傷で(女性店員は心の傷が残ってしまったが・・・)救うことが出来たのだ。
「た、助かったのか・・・?」
「うそ、私達生きてる!?」
「やった、やったぞおおおおお!!」
「ありがとうお兄さん!!」
四人の人質だった人たちが盛り上がる。その直ぐ後に、警察の機動隊が突入してきた。なんでも銃声が響いたから突撃したそうだ。
「いやぁ、貴方が犯人を昏倒させたようで。人質にされていた彼等から話は聞きましたよ、本当にありがとう御座います・・・って、貴方は新屋樹さん!!?」
一人の年配の警官が、樹にお礼を言いにきた。だが、彼が樹の正体を大声で叫んでしまったことで、周りが騒然とした。
いきなり、人質だったものや犯人を捕らえた者以外の機動隊員が詰め寄る。
握手してくれ。サインをくれ。助けてくれてありがとう。生で会えるなんて・・・。
強盗犯より珍しい、そして今までの恐怖を忘れさせるほどの人物。それが彼、新屋樹なのだ。
SAO オンラインゲームの中で拳闘士は生き残れるのか?
第一話 日本の英雄
「ふむ、これは実に興味深いな・・・」
真夜中。明かりが付いた室内で、研究服の男がパソコンのディスプレイを見ながら感嘆の声を上げた。
表示されているのは、昼間起きた事件の事だ。
“チャンピオンお手柄!銃と刃物で武装した犯人を素手で撃退!!”
そんな見出しで書かれている記事の内容は、日本の
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