29.其の名は「告死」
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んとかアズに近寄ろうとする。以下、エンドレスだ。
「あ、あの……俺の恐怖を克服するって言ってたけど、何か策はあるの?」
「ひええええっ!ないですごめんなさ〜〜〜いっ!!」
「即答!?計画性なさすぎるでしょ!」
「びえ〜〜〜〜ん!!わだじぃ……わだじ、だべな゛ごれす(私、駄目な子です)ぅぅ〜〜〜〜!!」
「ああっ、ちょっ、泣かないでレフィーヤちゃん!周りの人達が何事かと集まっちゃうから!」
プレッシャーや恐怖、それに無計画な自分への情けなさ。色んな感情が入り混じったレフィーヤの涙腺はとうとう決壊してしまった。おんおん泣くレフィーヤをどうにかなだめたいアズだが、彼女はエルフなので気軽に触るとそれはそれで問題になる。
しかも二人がいるのは街中だ。必然的に二人の有名人は注目を浴び、いつしか人だかりが出来ていた。
「何だなんだ?………ヒィッ!?こ、『告死天使』!!」
「馬鹿言うなよそんなヤベーのがこんなところにいる訳……ヒャアアアッ!?『告死天使』!?」
「違うな、あれはきっと偽物だ。本物はこう、腹の底が冷えるような冷気を纏って…………あれ、今日はやけに冷え込むな。まるで腹の底が冷えるようだ」
「怖がってるレフィーヤたんぺろぺろ」
「街中で座り込んじゃうレフィーヤたんぺろぺろ」
「怖いと分かっていても近づいた負けず嫌いのレフィーヤたんぺろぺろ」
「お前らまとめて『九魔姫』に殺されても知らんぞ……」
「「「その時はアズにゃんの後ろに隠れる!」」」
オーネストを放っておいて遊びほうけた罰が当たった気分にさせられたアズは、肩を落としながら収拾がつかない状況を打破するための秘策を使用することを決めた。懐をがさごそ漁って取り出したその「特徴的なお面」を見つめたアズは、それを一気に被る。
「………アズだと思ったか!?残念、俺がガネーシャだ!!」
それは、あの日にガネーシャから譲り受けた――魔法具『黄金のガネーシャ仮面』。
ピカーッ!!と輝く仮面の輝きが周囲の目に突き刺さり、周囲の空気が変わっていく。最初は戸惑っていた周囲も段々と仮面の形を確認して驚愕と安堵に染まっていく。
「あれ、黄金仮面の眩さで顔が良く見えないけどガネーシャ様だったのか!?」
「本当だ。アズっぽいけどこのオーラはガネーシャ様だな……」
「こんなバカみたいなオーラ放てるのはあの神ぐらいだもんな!」
「なんだガネーシャ様かぁ。意外と変装上手なんですね!」
もしこの場にオーネストがいたら「この世界には馬鹿しかいないのか……?」と囁きそうな程、皆がアズのことを何故かガネーシャだと思い込んでいく。アズがガネーシャに見えるという事実こそが異常事態であることに周囲は全く気付いていなかった。泣いていたレフィーヤでさえ
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