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気持ち
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私の目を真っ直ぐ見て言う。

「ユキ、もう終わったことは忘れろ。小さいこと忘れたほうがいいって。そんなのいちいち気にしてたら疲れちまうぞ」

 優しいなゲツガ君は……そう思っても部下の責任は私の責任でもある。

「でも……」

「でもじゃない。いいか、あいつの暴言なんて忘れてしまえ。あんなの覚えていたって無駄だろ」

「……」

 確かにゲツガ君の言う通り。小さいことは気にしないでいい。

「わかった」

「よしっ」

 そう言って、ゲツガ君は手を私の頬から離そうとする。その前に、私は自分の手を重ねる。

「ちょ……!ど、どうしたんだよ、いきなり!?」

 ゲツガ君もさすがにびっくりするが、その状態を保っていた。

「しばらく……しばらくでいいからこのままでいさせて……この温かさを感じたいから……」

 そう言って、ゲツガ君の手の温もりを感じる。最初はなに言ってんだろ、私!と思ったけどゲツガ君の手の温もりに比べたらそんなこと些細なことと感じた。その温もりを出来るだけ堪能するべく目を閉じた。数分間、ゲツガ君の手の温もりを感じた後、自分の手を離した。

「ありがとう」

「おう」

「それじゃあ、ゲツガ君の家に行こうか」

 そして、私はゲツガ君の家に案内してもらった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ユキを俺の家に案内して、中に入れる。現実世界に例えるなら和室二部屋とキッチンの付いた2Kと言ったところか。とりあえずちゃぶ台の前に座らせて、自分は料理を作ることにした。

「ゲツガ君って、マイホーム持ってたんだー。和風ってなかなか私好きだよ。いくら位したの?」

「ん、えっと……内装は少しケチったからな……だしか二千Kぐらいだったような気がする?」

「結構かかったんだね。お金大丈夫なの?」

 食材を出しながら答える。

「ああ、一時期籠もったり、モンスターハウスでのレベル上げとかしてからな。まだ結構余ってる」

「モンスターハウスって、まだそんなトコでレベル上げとかしてんの!?」

 ユキがモンスターハウスと聞いて驚いていた。まあ、あんなトコでレベル上げするなんてただの自殺志願者か馬鹿だけだしな。あ、俺って馬鹿だ。とりあえず調理する。今日は味噌汁に似たものとご飯らしきものと焼き魚と和風サラダを手早く完成させてちゃぶ台に並べる。その時にユキがガミガミ言ってたがとりあえず飯が出来たと言って静かにさせる。

「よし、それじゃあ料理も完成したし食べるか」

「うん!!「いただきます!」」

 合掌をしてから食べ始める。ユキも美味しいといって食べてくれたので作った甲斐があった。全て食べ終わり、食器の類を片付ける。お茶を飲みながらユキと話す。

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