アイングラッド編
紅き剣閃編
Absolute Dance―比類無き剣舞
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じる底知れない悪寒が首筋に走り、俺が舌打ちして走り出すのと同時に人の悲鳴が響いた。
コンマ数秒遅れて走り出したキリトとアスナが隣に並ぶ。だが、ステータスの関係で先程の扉の前に着いたのは同時だった。
扉の奥に揺れ動く巨大な影、金属音、そして悲鳴。
「おい!大丈夫か!」
キリトが叫ぶが中のプレイヤー達はそれどころではない。
まだほとんど減っていないボスのHPバーとプレイヤー達の統制の取れていない動き。まさかと思い、《罠発見》スキルのスキャンをマップにかけると、
「やれやれ、遂にボス部屋までも《結晶無効化空間》か……」
「な……」
「なんてこと……!」
2人が絶句したとき、向こうでコーバッツが叫ぶ。
「何を言うか……ッ!!我々解放軍に撤退の2文字は有り得ない!!戦え!!戦うんだ!!」
どこのナポレオンだお前は。
勇猛と無謀の違いが判らない内は《英雄》にはなれない。
その時、クライン達が追い付き、キリトが事態を伝える。
「な……何とかできないのかよ……」
無謀な突撃をしようとするコーバッツを眺めながら、俺は一瞬考える。
――助けるべきか否か、を。
この世界に来た、本来の目的を果たすつもりなら、助けるべきだ。
しかし個人的には助けたくない。何故なら、この男が指揮する部隊はこの先いずれ全滅する。
個か全か。
無能は排除されるのが、この世界のルールだ。
だが、
「まあ、良いだろう」
「え……」
悲痛な目で中を見ていたアスナがこちらを向く。キリトは叫んでいて聞こえなかったようだ。
――個人的な感情としては気に食わないが、目の前で人が死ぬのは未だに好きではないしな。
「ちょっと行って来る」
言い終えるか否かの内に、パラメータ補正全開で《軍》とグリームアイズの間に割り込む。
大太刀で突き出された巨剣を真上に弾いて仰け反らせる。そのまま大上段に構え、ソードスキルを発動。グリームアイズに突撃する。
突進系単発強攻撃『轟山剣』
懐に潜り込み、ムキムキの腹筋に大太刀を叩き込む。
仰け反りから立ち直ったグリームアイズが怒りで吠えていると、黒と白の流星が突き刺さった。
「……死ぬぞお前ら」
「ボスの独り占めは良くないぜ」
「もう!無茶しないでよ。パーティーを置いてかないで!!」
「……お前らからその言葉を聞くとは思ってもなかったな。……さて、クライン?」
姿は確認していなかったが、キリトとアスナが来てこいつが来ない訳が無い。
「おうよ。もう軍の連中は退避させたぜ、コーバッツもな」
「よし」
にやりと笑みを交わすと、キリト達の援護に向かう。
元々、中央付近で行われていた戦闘
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