アイングラッド編
紅き剣閃編
Absolute Dance―比類無き剣舞
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ピングしてある」
「うむ。ではそのマップデータを提供してもらいたい」
うん。もう帰ってもらおう。呆れすぎて物も言えない。いや、これくらい強かでないと中佐にはなれないのだろう。
どうせ街に帰ったら公開するはずのデータだし、持っていってもらって構わないのだが、ボスに挑戦する気満々なのはもう見えている。
「な……て……提供しろだと!?手前ェ、マッピングする苦労が解っていってんのか!?」
だがまあ、マップデータが高値で売れるのは事実なのだが。
「我々は君ら一般プレイヤーの解放のために戦っている!」
「大昔の話だろ」
「諸君が協力するのは当然の義務である!」
遂に《完全ステルス》を習得したのか、俺の嫌みは綺麗に無視された。
キリトが素直にマップデータを渡すと中佐殿は「協力感謝する」とちっとも感謝していない声で言い、くるりと後ろを向いた。その背に一応忠告しておく。
「ボスにちょっかい出すのはやめとけ、5分で全滅する」
「……何だと?」
「レベルはそこそこ高いのだろうが、それでもせいぜいこの迷宮区の適正圏ぐらいだろ?今までは安全圏を遥かに上回った大集団が苦戦しながら上ってきたんだ。お前らに倒せる道理はない」
「……それは私が判断する」
「ではその判断を精々あの世で後悔するんだな、中佐殿」
コーバッツは頬をピクリとさせたが何も言わず部下を再び立たせると安全地帯から出ていった。
「……大丈夫なのかよあの連中……」
「レイ君の言うことを聞いて早めに離脱してくれるといいけど」
「十中八九、死ぬか、死にかけるのに全員分の晩飯代賭ける………で、どうするキリト」
「一応、様子を見に行くか?」
全員が首肯し、歩き出そうとすると、クラインがアスナにヒソヒソと何か話しかけているのが聞こえた。
「あー、そのぉ、アスナさん。ええっとですな……アイツらの、キリトとレイのこと、宜しく頼んます。口下手で、無愛想で、自分勝手で、戦闘マニアのバカタレ共ですが」
その瞬間、キリトがびゅんとバックダッシュし、クラインとじゃれ始める。
キリトは必死にぎゃあぎゃあ言っていたが、クラインとその仲間5人、そしてアスナまでもがにやにやしているのを見て、俺に「何とか言ってくれ!」的な目を向けてくるが、俺はそれに微笑み返して上階に続く通路に向かっていった。
何か後ろで叫んでいる奴がいたような気がしたが、きっと気のせいだ。
リザードマンの団体さんに遭遇しそれに手こずっている間に、30分が経過した。
最上部の回廊までに軍のパーティーに追い付くことはなかった。
「ひょっとしてもうアイテムで帰っちまったんじゃねぇ?」
「ならいいがな……」
刹那、悪いことが起こるときに感
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