アイングラッド編
紅き剣閃編
Absolute Dance―比類無き剣舞
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
く味見する気になったな……。どんな味かは食べた者ぞ知る。
アスナはその液体をキリトの口に弾く。次の瞬間、アスナの指が喰われた。どうやらうまいらしい。
「ぎゃっ!!」
少し前のコイツなら問答無用でぶっとばしていたところだが、キリトの呆けた顔を見て顔を綻ばせた。
「さっきのサンドイッチのソースはこれで作ったのよ」
「醤油まで作るとは、本当に恐れ入ったよ」
「お前これ売ったらすごい大儲けできるぞ」
「そ、そうかな」
「なら、材料調達はお前が行けよ」
「……やっぱりだめだ。俺の分が無くなったら困る」
「意地汚いなあもう!気が向いたら、また作ってあげるわよ」
しかし………だんだんこのパーティーに居づらくなってきたんだが。
逃避ぎみにそう考えながら、安全地帯にも関わらず、無意識のうちに索敵で辺りを探ると多数のプレイヤー反応があった。
俺が立ち上がり剣に手をかけるのと、その集団が安全地帯に入って来たのはほぼ同時だった。
現れた6人パーティーのリーダーを見て、俺と弱冠遅れて身構えたキリトが力を抜く。男は付き合いの長い刀使いだった。
「おお、キリトにレイ!しばらくだな」
「おう」
「まだ生きてたか、クライン」
「相変わらず愛想のねえやつらだ。珍しく吊るんでんの……か……」
アスナに気づいた刀使いは目を丸くして硬直した。
「あー……っと、ボス戦で顔は合わせてるだろうけど、一応紹介するよ。こいつはギルド《風林火山》のクライン。で、こっちは《血盟騎士団》のアスナ」
アスナはちょこんと頭を下げたが、クラインは硬直したままだ。
「おい、何とか言え。ラグってんのか?」
キリトが肘で脇をつつくとようやく再起動したらしく、凄い勢いで最敬礼気味に頭を下げる。
「こっ、こんにちは!!くくクラインという者です24歳独身」
「ついでに彼女いない歴24年だ」
「な、何故それを……!?……って、適当なこと言うんじゃねぇ!!」
「…………哀れな」
「ぐっ……このぉ!」
その場が賑やかな笑い声に包まれるが、それは予期せぬ来訪者に破られる。
鋼鉄のブーツの足音を響かせ、整然と進んでくる集団。
「……随分と遅い到着だな」
「……《軍》」
俺は再び体を緊張させ、前に出たキリトの傍に立つ。
やって来たリーダー格の男がじろりとこちらを睥睨すると、口を開いた。
「私はアインクラッド解放軍所属、コーバッツ中佐だ」
軍隊を持たぬ極東の島国でのうのうと生きて来たネットゲーマーが中佐になれんのか……。俺は心中で微妙な表情を作りながらふぅ、とため息を吐いた。
キリトもやや辟易しながら応じている。
「君らはもうこの先を攻略しているのか?」
「……ああ。ボス部屋の手前まではマッ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ