アイングラッド編
紅き剣閃編
Trio―3人組
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先からその集団が姿を現した。
黒鉄色の金属鎧に濃緑の戦闘服。基部フロアを拠点とするマンモスギルド《アインクラッド解放軍》のメンバーだ。
数秒で俺達の隠れている所を通過すると、一糸乱れぬ行進で去っていった。
「あの噂、本当だったんだ……」
「噂?」
《軍》も元々は攻略を目指すギルドだった。しかし、25層のボス戦で大打撃をうけ、治安維持に力を注ぐようになった。
「でも、最近になって内部に不満が広がって上層部が方針転換したらしいな。組織力のある《軍》がまた前線に出てくるのは頼もしいが、いきなり未踏破層に来るのは……」
「レベルはそこそこありそうだったけどな……」
「もしかしたらボス攻略を狙ってるんじゃない?」
「……死亡フラグがバリ8なんだが」
「なんだよそれ……まあ、いいや俺達も急ごうぜ」
時刻はそろそろ昼。天井は上層の床であるはずなのに何であるのか解らない太陽が上からさんさんと輝いていた。
迷宮区入ると環境は一転、一年中じめじめとしたいやーな空気が漂っている。
何度か戦闘になったが、俺達は3人ともこの区域の安全マージンを大きく上回っているのでさして苦にならなかった。
やがて、回廊の突き当たりに大扉が現れた。
ボスの部屋。デジタルデータに過ぎないこの世界だが、向こうに何かが居ると感じる。
「一応、転移アイテムを用意しといてくれ」
「うん」
「おう」
キリトが扉をグッと押すと、大きな扉はズズズ……と動いていく。暫くすると扉から少し離れた床に2組の青白い炎が燃え上がった。それに連鎖するように次々と炎が点っていく。
ピリッと首の後ろに寒気が走る。奥の一際大きな火柱の後ろから巨大な影が現れた。
(悪魔型……初めてだな)
明らかに自分の重みで立てなそうな体格だが、だからと言ってちょっと小突いたら転倒するなんてことはないだろう。
《The Gleameyes》―輝く目
それがこのモンスターの名前だった。
そして、悪魔が長く伸びた鼻面を持ち上げ――――
「ゴアアアアアアアアアアアッッッ!!」
と吠え、こっちに突進してきた。
「うわあああああ!」
「きゃあああああ!」
「え?……はあ」
怖いのは解るが、俺を置いて逃げんなよ。
と、思いつつ俺も2人を追って走り始めた。
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