アイングラッド編
紅き剣閃編
Trio―3人組
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いな、お前さんトコの副団長は、今日は俺達の貸し切りなんだ」
………そこでサラッと俺を巻き込んで来ますか。
そんな言い方するから、クラディールのこめかみがピクピクしてんぞ。
「貴様らァ……!」
正直、三下相手に喧嘩買うのは嫌なんだが……まぁ、いいや。
「俺達の実力は知ってんだろ?護衛ならアンタよか勤まるぜ?」
「ふ……ふざけるな!!《紅き死神》!!お前のようなレッド紛いの殺人鬼にアスナ様の護衛を任せられるかぁ!!」
言ってることは至極真っ当だが、まだ勘違いされているのは悲しいことだ。
もうこうなったら実力行使込みで黙らせるかと手を動かした時、怒号が響き渡った。
「ふざけんな!!」
声の主はキリトで、突然の事に隣のアスナがびくっとする。周りもこっちを何事かと伺い始めた。
「レイの《レッド狩り》は犯罪者を殺しまくっているんじゃない。無力化して、牢獄に送ってんだ!!何も知らないやつが勝手な想像ほざいてんじゃねぇ!!」
キリトの怒声にクラディールが黙り込む。
「キリト、お前……」
「……行こう。2人とも」
キリトは俺とアスナの背を押すと街の外へ続く道を歩いていった。俺もその後に続きながら後ろを見ると、クラディールが殺気に満ちた顔でこちらを睨んでいた。
「それにしても君達、いっつも同じ格好だねぇ。ボロボロのマントなんて着てるからレイ君は《死神》なんて呼ばれちゃうんだよ」
「……いいんだよ。別に……じゃあ何だ?俺が小綺麗な格好してたらなんて名前が付くんだよ」
「……《赤マント》じゃないか?」
「じゃなきゃ《赤頭巾》」
「……それはお前にくれてやるよ。初代」
アインクラッド階層攻略の黎明期、アスナは何故か赤色のフーデットキャップを被っていたので赤頭巾ちゃんというアダ名があった。
「キリト君の真っ黒装備は何か合理的な意味があるの?それともキャラ作り?」
「後者だろ」
「ちげーよ!……っと」
「……ん?どうしたの?」
「12人だ。隠れてやり過ごそう」
索敵範囲のギリギリに突如、大人数のプレイヤー反応が現れたのだ。
「そうね」
俺達は道を外れて土手に登り、背丈程の高さに密集した灌木の陰に身を隠した。が、アスナの紅白の装備はいかにも目立つ。
「どうしよ、わたし着替え持ってないよ」
「ちょっと失敬」
キリトの黒色のレザーコートをアスナに被せ、息を潜める。
似たような色をした俺をアスナが心配そうな目で見るが、俺は大丈夫だと頷く。この格好も結構意味あるんだぜ?
実は、暗闇や茂みなら黒より安っぽい赤色の方が見えにくかったりする。
やがて、曲がりくねった小道の
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