暁 〜小説投稿サイト〜
婆娑羅絵巻
壱章
魔王の子〜下〜
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だ せん)

人質として織田に来たものの信長に才能を買われた、若獅子・蒲生 氏郷(がもう うじさと)
彼の婚約者であり正室・濃姫と大御所様の子である妹の冬(ふゆ)

明智家と共に織田に仕え始め武功を上げ、信長に蒲生氏郷と共に将来を期待されている細川家の嫡男・細川 忠興(ほそかわ ただおき)
その妻の、明智 光秀の娘・細川 珠(ほそかわ たま)、若しくはガラシャ

この六名らと深い交友を持っていた。

特に長可、氏郷とは戦場でも行動を共にし、
『女義経』『鬼武蔵』『若獅子』の雄叫びが響けば敵は恐れ戦き、馬はあまりの覇気に驚き人を振り落とし、奴らが立っている後ろには死体しかない…と言われているほどだ。



また信芽の実母はかの有名な征夷大将軍・坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)の血を引き、実父は名の通り陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)が祖である土御門家の一族だった。

坂上田村麻呂と安倍晴明といえば両者とも様々な伝説が残っている。
多くの武勇伝を残した英雄と狐の血を引いた術者、彼らの血を引いているなら彼女が持っている神懸った美しさや魅力も頷けてしまう。
若しかしたら、彼女の持っている数々の才能や不思議な力等も先祖から受け継いだものなのかも知れない。


「そのような高貴な家の出の方だったのですか…!?
………でも何故そのような方が…その、…此処に閉じ込められて居られて…?」

「………三ヶ月程前、唐突に現当主の信忠様が言い出したのよ、信芽様をこの屋敷から出すなってね。
…ホントは檻の中に閉じ込めようとして大御所様が説得されてこの屋敷に連れてこられたなんて話もあるわ」

「………………!?、そんな…周りの人は______」

「無論、共に戦場で戦っていた長可様達や御兄妹は猛反対されていたわ。
でも、信忠様は強引に話を進め此処に封じられてしまったの。
信芽様はまだ齢十六歳なのよ、お可哀想に…………。」

「では先程信孝様がお来しになられたのも………。」

「……もしかしたら大御所様に頼まれて来ているのかもしれないわね………?
そういえば、貴女聞いた……?
神戸家が先日________」







その後、女中達の話題は信孝について(主に【例の件】の話題)に変わり信芽の自室の周辺から立ち去っていった。
人の気配が消えた後、信芽は一息つき再び小窓を開け庭の景色を見始めた。

_____【理解してくれた友達】や【妹】と話すことや戦場を駆け巡り戦うことが出来なくなってしまった。

私が閉じ込められているのを多くの人、特に臣下の家の姫君は『織田家の血筋ではないのにそこまで大切にされてるのか』とか『当主・信忠と淫靡な関係だ』なんて陰口やら突飛な噂を言って
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ