暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico?確率の支配者〜Dice of Controller〜
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ないのかも。とにかくこのまま逃がすわけにはいかないから、わたしは翼を大きく羽ばたかせて逃走車を追跡する。

「ちょっ、アイツ、デパートの中に突っ込んでった!?」

「隊長! 救急車両の手配をお願いします!」

『判った! 被疑者の方はよろしく頼む!』

「「了解です!」」

車が突っ込んだデパートへと突入する。建物の中はもうメチャクチャで、ベンチやら観葉植物やらがボロボロだ。わたしは「負傷者は居ませんか!?」そう声を掛ける。返ってくるのは「無事です!」の声。

「すぐに救急隊が来ますので安心してください!」

デパートの中を飛ぶんじゃなくて走りながら、店内に声を掛けながら突っ切る。その結果、突然暴走車が突っ込んで来たのに、なんと軽傷者1人すら出ていなかったってことが判った。

「マジ・・・?」

「どんな偶然と奇跡が起きればそんな都合の良いことが起きるわけ?」

『偶然と奇跡・・・。あっ! くそ、何ですぐに思い出せなかった!』

ルシルと念話を繋げたままだったのを忘れてた。ううん、今はそんなことより「神器の正体が判ったの!?」だ。デパートの外に出てもまだ暴走してる車を追いかけ続けるんだけど、あれだけの速度で物損も人身も起こさないなんて・・・って、さっきと同じこと思ってる・・・。

『ああ。印象に残っていない神器だったからすっかり記憶の底に沈んでいた。パリ・デ・パスカル。確率操作を行える神器だ』

「「確率操作・・・!?」」

『ああ。自分と対象の確率を反転させるんだ。どんなに不利な状況でも常に自分が有利になる確率を引き寄せる効果を持っている。現場中継を同僚たちと観ているが、正しく効果が発揮されているな。推測だが、高確率で市民を撥ねるという結果を、高確率で撥ねないという結果に反転しているんだろう』

「ある種、最強の神器じゃないソレ・・・!」

耳を疑ったよ。だってそれって「つまりさ。確実に当たる攻撃も、絶対に当たらない攻撃になるんでしょ?」そういうわけだもん。戦闘で使われたら、勝てる確率が負ける確率に変更される。それはさすがに反則だよ。

「ああ。結果の確率反転だ。当たる確率が高い結果を、当たらない確率の結果に反転させる。戦闘に持ち込まれると厄介だが、記録には残っていないからなかなか出て来なかった」

「それでルシル。攻略法は!?」

『パリ・デ・パスカルの所有者との戦闘は、常にこちらが不利になるという圧倒的なディスアドバンテージを負うことになるわけだ。しかし、だからと言って絶対にこちらが負けるという結果にはならない。ちゃんと攻略法がある』

「それを早く教えてってば!」

逃走車はなおも暴走してる。だけど決して人は撥ねないし、車が潰れるようなダメージが起きるほどの物損事故も
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