IF 完全平和ルート
偽装結婚シリーズ
偽装結婚の舞台裏
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りに当たる頭領の第一犠牲者がヒカクであった事なんて、知ったって何の役にも立たないし、ヒカク自身何の自慢にもならない。
いい加減お前素直になれよ、というのが(ヒカクを含む)木の葉の大部分の住民達の率直な言分であったのだが、幸か不幸か面だって言える人はいなかった。
なので事情を知る者達がさり気なく、それでいて密やかに外堀を埋める努力をしていた事を、当の本人達は知らなくていい。
何とかして離婚させようとする妹様の妨害工作にもめげる事無く、ヒカクを始めとする同士の面々(又は被害者友の会)がどれだけ苦労をして来た事か。
―――ー深々と溜め息を吐く彼の姿は正しく苦労人であった。
『今まで偽装とはいえ、オレに付き合わせて済まなかったな。最近は世界の情勢も落ち着いて来たし、ここら辺が潮時だろう。――離婚しよう』
だからこそ彼は、今朝訪れた火影の執務室での奥方様の一言を耳にした途端、全身を硬直させる羽目になるのだが。
『何、大丈夫だ。幾ら離婚歴があるとはいえ、そんな事を気にしない娘さん達はそれなりにいるだろう。どっかで可愛い娘さんを見つけて、今度こそ本当の奥さんになってもらえ。――安心しろ。流石に結婚式には顔を出せないが、祝儀ぐらいなら送ってやるぞ』
そんなことを笑顔で言われて、頭領が怒ったのも致し方ないと思う。
元々憎からず想っていたであろう相手だし、なんだかんだで独占欲と執着心の強い人だし。
世紀の大戦争が始まってしまったのも、致し方ない事である(と彼は異論を唱えたくなる心を納得させた)。
ただその終末戦争の幕引きの仕方を伝え聞いた彼が、影で『やっと頭領がデレたぁぁああ!!』と快哉を上げた事は後の里の語りぐさとなったのである。
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