第5章
冥界合宿のヘルキャット
第101話 覚醒
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心底うんざりした様子で冷たく言い放つ。
「……倒れるかよ……!お前らが小猫ちゃんのお姉さんや神楽の兄貴でも、俺は二人を泣かす奴だけは許さない!」
「白音も神威の妹ちゃんも大変ねぇ。こんな泥塗れの血塗れで言っても、女は引くだけにゃん。キモいキモい」
「……イッセー先輩」
「……イッセーさん」
俺は小猫ちゃんと神楽に今の心情を吐露してしまう。
「……小猫ちゃん…神楽……俺は伝説のドラゴンが身に宿ってんのにさ、何もできないんだ……!俺は才能の無い駄目悪魔なんだ……!?」
俺の言葉を聞いた二人は首を横に振る。
「……イッセー先輩は駄目なんかじゃないです」
「……え?」
「……さっきお兄ちゃんが私の事を言っていましたよね。私は臆病者だって。その通りです。私は戦いとかそう言うのがとても怖いです。特に戦いの中心となる強大な力を持つ存在は。当然、絶大な力が宿る赤龍帝も例外じゃないです」
「え、じゃあ……」
「でも、イッセーさんが赤龍帝だと知っても、特に怖いとは思わなかったんです」
「……俺が歴代よりも弱いから……?」
俺の問いに神楽は強く首を横に振る。
「強いとか弱いとかそう言うんじゃないんです」
「……歴代の赤龍帝は絶大な力に溺れた者が多かったと聞いています。私の姉様も同じです。力があっても、優しさが無ければ必ず暴走してしまう」
「そして、イッセーさんは誰よりも優しい心を持っています。だから、赤龍帝だと知っても怖くなかったんです」
「……イッセー先輩はきっと歴代の中でも初めての優しい赤龍帝です。だから…」
「歴代の中で弱くても…」
「「優しい『赤い龍の帝王』になってください」」
二人は微笑みながらそう言ってくれた。
二人とも……俺は……。
ドガッ!
「がはっ!?」
そこへ突然の衝撃音と誰かの苦悶の声が響く!
この場にいる全員が音がした方を見る。
「………ぐっ……」
そこには木に背を預けて呻き声をあげている明日夏がいた!
ー○●○ー
「この辺で良いかな?」
そう言い、夜刀神竜胆は俺の顔面を掴んでいた手を離す。
当然、いきなり手を離された俺は地面に落ちる。が、連れてこられた際の勢いを利用してなんとか体勢を立て直す。
夜刀神竜胆は俺から少し離れた場所で勢いを殺していた。
「さて、何から話そうかな?」
こいつは本気で俺と話す為だけに俺とイッセー達を引き離したのか。
「チッ!」
俺は舌を鳴らすと同時に戦闘服に着替え、マジックスラッシャーを手にする!
「俺は話がしたいだけなんだけどなぁ」
当の夜刀神竜胆は敵意に晒されながらも気を抜いた様なやる気が感じられない
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