第5章
冥界合宿のヘルキャット
第101話 覚醒
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。
「………」
奴は棒の様に立ち、自分の胸の位置を見ていた。
奴の胸には横一文字の切り傷ができていた。
だが、やはり特に深い傷ではなかった。
「………」
奴は無言で自分の傷に手を当てる。
そして、手に付いた血を無言で見つめる。
「どうした?まさか傷付けられるとは思わなかったか?」
奴は顔をこちらに向ける。
その表情は非常に晴れやかだった。
「ああ。全然想像してなかった」
そう言い、奴は刀の柄を握る。
「この勝負、お前の勝ちで良いぜ」
そう言い、奴は刀を抜いた!
「いやー、負けてもてっきり、「残念だったな」「だが抜かせてやったぜ」的なのを想定してたんだよな。まさか傷の礼の為に抜く事になるとはな」
傷の礼、つまり初めて奴から仕掛けるって事か。
それよりも気になるのは奴の刀だ。
正直どう言えば分からないんだが、一言で言えば普通の刀じゃない。
何も感じないのに異様な感じがする、そんな矛盾した物が感じられる刀だった。
「そうだ、勝者報酬がまだだったな」
「ッ!」
「じゃあまずはレイドゥンの事だな。まず、あいつと俺だが、協力関係じゃない」
「何!?」
「あ、もしかしなくとも、あいつに買収された口だと思ってたろ?」
「まあな」
「まあ、実際買収を求めてきたけどな。断ったけど」
「なんで?」
「ほら、俺『三狩王』だろ。結構儲けてたから、金には困ってなかったしな。なにより…」
「?」
「俺あいつ嫌いなんだよな。こう、生理的に受け付けないって感じで」
ずいぶんと身も蓋もねえ理由だな。
「じゃあ、なんでテロリストなんかに?」
「それは報酬に無いから秘密♪」
「………」
「ま、話戻すぜ。あいつが色々な奴を買収してるのは知ってるな?」
「ああ」
それで、『はぐれ賞金稼ぎ』になる奴が増加の傾向にある。
「その金の出処は知らねえんだけど、かなりの財力を持ってるのは確かだぜ。んで、買収されてる奴は主に『賞金稼ぎ』だったり、賞金首だったりするな。おっと、忘れちゃならねえのがいたな」
「?」
「情報屋。ギルド、フリー両方のな」
「なっ!?」
奴の言葉に驚愕する!
フリーの奴はともかく、ギルドの情報屋まで!
だとしたら……!
「察した様だな。そ、今まで奴の詳しい情報が集まらなかった要因の一つにそう言うのがあったんだよ」
奴の話が本当なら、この情報は急いで知らせねえとヤバイぞ!
ギルドの情報の主な物ははぐれの情報。つまり、本来はぐれになる様な奴がはぐれに認定されずにはびこる様な事になる!
「ま、帰ったら冬
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