第1話
ep.005 『赤く染まる幼い少女編 3』
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
絶《た》えず聞こえてくる。
「俺がやる。」
ルレシオ・ジン・シェイリアスの能力、闇暗漆黒。誰がどう聞いても厨二病患者の様にしか思えないだろうが、この名前は彼がつけた訳でなく、この能力の製作者である。まあ、その製作者がおかしかったのであろう。
球体。
真っ黒い球体が彼の手の中から出てくる。見方によっては生まれてくるというのかも知れない。
「いけ。」
球体は机の上に向かい円を描きながら、そのまま出口に向かい一直線、そして銃を持つ奴の胴めがけ突進。来ていた重みのある衣類から始まり肉体を抜け、また衣類を抜ける。音もなく何事も無かったかのように通り過ぎると、今度は何事も無かったかのように風に消えた。
「まずは一人。 次は・・・・・、・・と言うよりなんでこんなにもいる!」
ルレシオがキレる。腕を上げる事も出来ない現状暴れる事が出来ず、ただ噛みしめる事だけした。
ドゴンッ!
爆発、と言うよりは崩れるような音。銃声は鳴りやみ、代わりに礫の音がしている。
「おいおい、入ってすぐに攻撃とかマジ勘弁してくれよ。」
聞き覚えのある声。つまらなそうな感じがするトーンで言っている。
銃声はというと全くに聞こえなくなり、ただ一つの足音だけがコツコツと鳴り響いていた。
足音が鳴りやみ、もう扉の無い部屋の光に入口に人影が見える。
「オイコラー、撃たれてたヤツラ―。 もう片付いたから出てこーい。」
全員机から顔を出し、確認する。少しだけ見たくない気もするその人物は『知ってた。』と言いたくなるが、夢絶であった。
「よ。 結構元気そうだが、大丈夫か?」
中に入り言ってくる。
全員、唖然。あまりの急展開に少しばかり脳の速度が追いつかない、訳ではないが理解したくない。
あの働かない星人である『夢絶 叶』がそうやすやすと仕事をするわけがない。
「どうしたんですか? なんでここにいるんですか? なんかゲームの大会だったんじゃないんですか?」
御臼の口からそんな言葉が延々と出てくる。
答える。
「いやぁ、ゲームの大会が終わったんで暇だし(臨時報酬あったし)、御臼ちゃんもこっち居るし(セクハラ出来ないし)、転移門くぐらされたら此処にいたんでさすがに、仕事やるしかなくなった。」
かっこの中は、心のみで話している部分である。
「んで、どこに行けばいいとか、もう分かってたりする?」
夢絶が久しく働いているのだ。いっそ全部任せよう。
「はい。 ここはいわゆるダンジョン方式の施設です。」
御臼が話を始める
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ