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鎮守府の床屋
前編
5.拉致。そして昼寝。
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に北上と暁がいるクマッ……!!」

 耳を澄ましてみると、確かにロッカーの外から『あれ〜? こっちに逃げてきたと思うんだけどな〜……』『ここで暁が球磨を見つけたら、きっと一人前のレディー!!』『確かにそうだね〜。んじゃがんばって球磨姉さがそっか』という北上と暁ちゃんの会話が聞こえてくる。

「お前……なにやってんだよッ……かひゅー……」
「大掃除、飽きてきたから逃げたクマ。キリッ」
「何俳句のリズムに乗せてろくでもないこと言ってドヤってるんだ……!!」
「いいからちょっと黙るクマ! 見つかるクマ……!!」

 ロッカーの中は狭い。元々人が入るように設計されているわけじゃないから、人が一人ギリギリ入れるぐらいの広さでしかない。そんな中に大の大人……いや球磨はなんとくなくティーンな感じだけど……人間が二人も入ろうものなら、ロッカー内はぱっつんぱっつんになる。

「もぞもぞ動いちゃダメだクマ……! 外の二人にバレるクマ……!!」
「つったってお前……! 顔近いし身体密着してるんだぞ……!!」

 そんなわけで、俺と球磨は今、ロッカーの中でありえないほどに密着してる。なんつーか抱きあってる感じって言えばいいのかこれは。お互いの顔がお互いの左耳のすぐそばにあって、球磨がポソポソしゃべってる言葉が全部耳元でささやいてる言葉みたいになってて、よろしくない。

「だったらなんで俺を一緒にロッカーにぶち込んだんだよっ……!」
「こうしないと、北上と暁にバラされると思ったクマ……つーかこそばゆいから耳元で話すなクマ……!」
「お前が自分で撒いた種だろうがッ……!!」

 上半身も妙に密着してて狭っ苦しさに拍車をかけてる感じだ。おまけに球磨のうなじがすぐ目の前にあって、いい匂いというか……妙に落ち着く匂いが鼻をくすぐってきてて、よろしくない……非常によろしくない。

『ハルもいないね? どこいったのかしらー?』
『そういやそうだね。ニヤニヤ』
『北上さんは何か知ってるの?』
『別に〜。でも球磨姉とハルは仲いいからね〜。二人でサボってるのかもね』

 北上と暁ちゃんがこんな会話をロッカーの外で繰り広げている。やめろ。なんて勘違いをしてるんだお前らは……俺はこんな妖怪ロッカー女とは仲良くなんかない!!

「北上! 暁ちゃん!! 助けろぉおおお!!」
「こ、コラッ! 暴れるなクマッ……!!」
『ん?』

 俺は狭っ苦しいロッカーの中で、あらん限りの力を駆使して身体を揺らしまくった。そんな俺を球磨は必死に制止するが、元々自由が効かない狭っ苦しいロッカーの中。球磨に俺を制止することは出来ず……

「うおおおッ!!」
「クマッ?!!」
「ハル?!」
「球磨姉も?!」

 俺の反動をつけた揺らしのおかげで、ついにロ
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