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アインクラッド篇
断章 南十字の追憶
破局
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……。」

HPはみるみる減少していく。バッドステータスの一つ、出血だ。持続時間は短いが、ダメージ量が多く、さらに効果時間中はポーションや結晶といった回復アイテムは使えない。だが、これはフロアボスクラスのモンスターしか使えない筈だ………

「無駄ですよ?《死神》スキルのmod、《出血付与》です。お姉様の死は絶対です。」

「………みたいね。」

「姉貴………?」

「城介、アンタがアマナを止めなさい。真奈、今日は退きなさい。」

「おいおい、お姉さん。虫がよすぎな………」

「分かりましたわ。」

「What's!?本気か!?」

「ええ。というか、貴方はどなたですか?」

「っと……自己紹介はまた今度だな。」

「?」

「攻略組の連中だ。流石に二十人はキツい。」

ああ、と無感動な返事だけ残してアマナは身を翻した。

「御免ね、城介。アンタには面倒ばっかりで。」

「んなこたどうでもいい!死ぬな!!」

「………フフフ♪大丈夫よ。自分で選んだ結果だもの。死んでも文句は言えないわ。」

「………」

「いい?城介。真奈を止めて。そして生きて。自殺なんて選択肢はあげないからね?」

「……姉貴はいつも、勝手だな。」

「ええ、アンタに拒否権はないわ。昔からでしょ?」

「…………」

HPが1割を切り、ゼロへと向かう。

「………そろそろね、多分ホントに死ぬんだろうなぁ〜。」

「……………」

「フフ♪じゃあね、城介。」

「………ああ、またな、琴音姉さん。」

そして俺の姉、アマネーー天川琴音は、その体を無数の青い欠片に変えた。
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