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逆襲のアムロ
29話 ギレンの遺産 2.21 
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夢想の中で私たちは燃え尽きる。正義の味方って中々難しいけど、無名よりは悪名の方が映えるわよ」

エマの達観した言い回しにカクリコンはお手上げだった。

「参った・・・。救われたいなんて意味不明な想いはただの甘えみたいだな。大人の言うことじゃない」

「そうねえ。そう思うことがナンセンスだと思うわ。大人子供って括りに囚われる事無く、課せられた役目を演じてみるのも一興よ」

「地球潰しをか?」

「そう。何でも先駆者は変人扱いされてきたから、何が本当に人類の為なのか?そんなことは誰にも分かる訳が無い」

ジェリドがエマの言葉に頷いて話し出した。

「だから、絶え間なく動き続ける必要がある。どのショックで世界が変革するか?このままではただ衰退しかない。それを常に考えていかなければならない」

「ふーむ。そんなスケールの事をオレら考えないといけないのか?無茶だろ・・・」

「確かにな。しかし置かれている状況が、一生飼い殺しの番犬のままか、ユートピア創造という苦行に挑むかだ」

「私は番犬なんて嫌よ。繋がれるなんて趣味じゃないし」

「オレもだな。嫌な事を取り払うために地球を潰すか・・・」

「ああ。結果そうなっただけだ。あんまり罪悪感なんて考え過ぎるな。その昔恐竜が滅んだのも隕石による災害だと推測がある」

ジェリドが故事を持ちだした。それにカクリコンがキョトンとした。

「そうなのか?」

「あくまで推測だ。それが仮に人為的でも、我々も自然の一部。地球に隕石が落ちてしまっても、それは自然な事なんだ」

エマはジェリドの論法に笑った。

「アッハッハッハ・・・ジェリドはとんだペテン師ね。それならあんまり気が病まないわ」

「確かにな。オレらはあくまで観測者(オブサーバー)だ。この事でみんなの反響に期待しよう」

その話を黙って聞いていたシロッコは瞑想し、彼らは生き残るようにと祈った。


* 月 フォン・ブラウン市 アナハイム工場 2.29


アムロとシャアはテムに呼ばれ、工場に来ていた。
両者ともスーツ姿で軍人というイメージを取り除いていた。

「ここも色々目があるからな」

アムロは工場内通路をテムとの待ち合わせの格納庫へシャアと共に歩いていた。

「君のお父さんは何故私までも?」

「さあな。ただオクトバーがなんか企んでいたのは聞いていた。君のことを少し話題に上がっていてな」

「私の話?」

「君の百式を作ったナガノ博士にオクトバーが色々ダメだししたらしい。100年安心設計も時代錯誤だと。それでナガノ博士は親父の下へ赴き、シャア専用のカスタム機を都合したらしい。ベースはギラ・ドーガらしいが・・・」

「そうか。百式も先の戦いで修理不能になっ
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