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逆襲のアムロ
29話 ギレンの遺産 2.21 
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体ですな」

「そうだ。奴らも大悪事を、我々も同様なことを敢行しようとしている。我々の行為は連邦の息の根を止めるに相応しい行動になる。彼らは地球有ってのことだからな」

そして、艦橋に更にカクリコン、エマ、サラと入って来た。

「よう、ジェリド。モビルスーツ隊のスタンバイOKだ。将軍が都合したメッサーラを主軸ですぐにでも出かけられるぞ」

ドゴス・ギアを旗艦とするシロッコ艦隊の主力は可変系MSのメッサーラ・カスタムだった。規格をコンパクトにかつムーバブルフレームを最大限に活用してとても扱いやすく安価に仕上がった。その為、強度の部分ではメッサーラより劣る部分があった。勿論サイコフレーム搭載機だが、その利用はかのνガンダムと同様なコックピット周囲に限定した。。

他にも索敵隠密仕様でボリノーク・サマーン、重火器長距離、対戦艦仕様でパラス・アテネ、そして近接戦闘仕様のシロッコの愛機ジ・Oも搭載されている。シロッコは勿論ポリノーク・サマーン、パラス・アテネ、そしてジ・Oも日々改善を重ねていた。

シロッコは艦隊に向けて、士気向上とこれからの事を説明する為に演説のマイクを手に取った。

「・・・艦隊で日々労苦を共にしている諸君。パプテマス・シロッコ中将である。貴官らの決意には敬意を表すにあたり、その決意を揺るぎないものにする為に今ここで事の成り行きを説明する」

ジェリドはシロッコが自分へ語った事を大体述べるつもりだと思った。確かにこんな八方塞がりな事態で人類を救うには誰かが礎にならなければならない。しかし、その結論を述べるつもりはきっとないだろうと思った。

「連邦議会が招集され、ある決断を政府がすることになる。それは世論を無視した極めて愚かな行為だ。彼らは宇宙に住む者たちを切り捨て、一から立て直すつもりだ。しかも自分らの意のままに。我々は断固戦わなければならない。しかしエゥーゴには付かない。何故なら彼らもまた連邦政体に根付く半端ものだからだ」

アアレクサンドリア級の巡洋艦の艦長席でシーマが足を組んでシロッコの演説を見入っていた。

「・・・シロッコよ。見せてくれるねえ。ようやくあたしに死に場所を与えてくれるのか」

そう呟くシーマに傍にいた副官のデトローフ・コッセルが息を飲んだ。

「(段々・・・悪くなっている・・・)」

この頃のシーマは精神的に頗る病んでいた。シロッコの調整で彼女の心の均衡が保たれていた。
そして常に死地を求めるようになっていた。

「我々は宇宙に住む者の怨念を持って、連邦政府に鉄槌を喰らわす。今の政体を崩し、溜飲を下げ、人類がようやく新たなステージへと立つ時が来たのだ。連邦という籠から巣立つため、地球に依存するティターンズ、エゥーゴを倒すため、地球にア・バオア・クーをぶつける」

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