世界の破壊者
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
く。
「僕もあの虫どもは個人的に嫌いでね。手伝ってあげよう」
「……そりゃどうも。ユイ、隠れてろ」
「はい。……頑張ってください、パパ! 泥棒さん!」
肩からキリトの胸ポケットに移動し、ユイはキリトの邪魔にならないよう務める。その前に投げかけられた言葉が意外だったのか、海東は変身も忘れてポカンとした表情を見せていた。
「どうした?」
「……いや、なに。頑張って、なんて声援は久しぶりでね。少しやる気が出たよ」
襲いかからんとするアルビローチをディエンドライバーの銃口で牽制しつつ、海東はいつもの調子を取り戻す。そして戦いに入るより先に、キリトはずっと気になっていたことを海東に問いかけた。
「もしかしてお前……この世界を守ろうとして、ユイを盗もうとしたのか?」
海東の言葉をあくまで信じるならば、の話だが。ユイがキリトの妨害がなく海東に盗まれていれば、この世界は崩壊することはなかった。ならば、この《滅びの現象》に先んじてユイを盗もうとした海東は、結果的にはこの世界を守ろうとしていたのか。
「まさか。覚えておきたまえ……僕の旅の行き先は、僕が決める」
そんなキリトの問いを鼻で笑いながら。海東はアルビローチに向けていた銃口を、一枚のカードを銃の側面に挿入しながら、真紅に染まった天に向ける。
「変身!」
『KAMEN RIDE DIEND』
天空から降り立った幻影が重なっていき、海東の姿をディエンドへと変身させる。そのディエンドの登場を皮切りにしたかのように、キリトもまた、アルビローチの大群へと二刀を携えて向かっていく。
「うぉぉぉお!」
数は世界全土を埋め尽くさんほどだが、一体一体はそう対した強さではない。キリトのスピードにアルビローチたちは対応出来ず、キリトが剣を振るう度に緑色の炎とともに消え去っていく。
「そいつらの爪には致死量の毒が塗られている。気をつけたまえ」
「先に言え!」
海東の忠告とキリトの文句が響きながら、キリトは隙を見てアイテムストレージからありったけの対毒ポーションを。ディエンドは新たなカードをドライバーにセットしつつ、自らに近づこうとするアルビローチへと弾幕を張る。
『KAMEN RIDE DELTA DRAKE』
二体の銃士が召喚され、ディエンドとともに弾幕を強めていく。海東に爪を届かせるまで接近出来ずアルビローチはおらず、海東はログハウスの近くから動かず射撃を続けていく。
「……よし!」
海東の援護射撃――というよりは、好き勝手撃っているだけという印象だが――により、キリトも持っているだけ対毒ポーションを飲み終える。そもそも異世界からの敵に、店売りの対毒ポーションが効くかは疑問だったが、毒と
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ