暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第221話 凍える闘志
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 シノンは、矢と弓を握る力も上がっていた。

「シノン! 30秒、頼む!!」

 そんな中で、キリトの声も聞こえて来た。


――その程度じゃ、全然足りないんだけど……ね! 


 30秒で、借りの全てを返せられない、と思っていたのだが、キリトの声を訊いた事で、少し色んな意味で冷静になれた様だ。

 シノンは いつもは間違いなく、本当に冷静(クール)。……山猫の様に気高く、群れる様な事は無い、と言える。

 なのだが、やはり 特定(・・)の人物関係ででは、頭の中は冷静なのだが……、闘志が沸く。熱くなってしまうのだ。

 そして、もう1つ切欠があった。

「シノンさんっ!」
「っ、ユイ、ちゃん!?」

 それは、シノンの肩の上に乗ったユイの存在だった。

  

 シノンが時間を稼いでくれている間に、皆は直ぐに体勢を立て直す。其々が持っているポーションを使い、HPを全快にまで回復させようとしたのだ。時間はキリトが言う様に30秒程掛かってしまうのが、ネックだが、シノンは十分すぎる程時間を稼いでくれている。

回復(さっき)は、驚いたけどな……。えほっ……」
「シノンさんの頑張り、無駄に出来ないよ! リュウキくんっ」

 少し、噎せてしまっているリュウキを見て、レイナには、シノンの気持ちもよく判った。
 歌による遅延(ディレイ)がなければ、あそこまで強引には出来ないかもしれないが、何よりも優先させて、回復をさせていた筈だから。……ゲームと言っても、やっぱりちょっと妬けてしまうけど。

 リュウキはただただ、シノンに譲り受けた? 回復ポーションを見たとおり噛み締め、只管体力回復に努めた。

「多分、もうあの魔法を使わしてはくれないだろう。……恐らくロック(・・・)された。レイナ、次からはオレも前衛に出る」
「うんっ。私もちゃんと見極めてから、前に出るよ。……きっと、お姉ちゃんと同時だと思う」
「うん! ……でも、その前に もう一度、全体回復を……!」

 リュウキの言葉に、レイナとアスナは頷いた。

 そして、アスナはもう一度全体回復魔法(プリ・キャスト)を行う。

 全員が回復する時間。30秒もあれば、魔法を使わずとも、全快する事が出来るだろう。……だが、これは無駄では決してない。アイテムと魔法と併用させる事で、更に短縮が可能なのだから。
 今のシノンの回避技術は目を奪われるものがあるが、やはり万全を期す為にも、可能な限り早くHPを回復させるのが一番だろう、と判断した様だ。

 キリト達も、魔法の事は判っていた様で、何も言わず ただ頷いて其々の回復に努めていた。

 シリカは、『ペット用の回復アイテムもあれば良いのに……』と、ピナにだけ、回復
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