第65話 クラフト
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れていたネージュを助け出した時のことだ。
“大丈夫か?”
まだ駆け出しのジャーナリストの頃のネージュをイレギュラーから救い出し、手を差し伸べたのだが。
“触らないで、レプリロイドはいつイレギュラーになるか分かったものじゃないから”
その手を拒絶したネージュにクラフトは苦笑した。
レプリロイドのイレギュラー化を恐れる人間は数多くいるが、彼女も例に漏れなかったようだ。
しかし、クラフトはネージュの怪我をした足首を見遣り、屈み込む。
“何を…”
“せめて怪我の手当てをさせてくれ。見ていて痛々しい”
慣れた手つきでネージュの怪我を手当していくクラフトに警戒を少し緩めたネージュが口を開く。
“一応お礼を言っておくわ。ありがとう…レプリロイドに人間は礼も言えない奴だなんて思われたくないもの”
ネージュの勝ち気な表情で言われたその言葉にクラフトは再び苦笑を浮かべた。
どうやら自分が助けたネージュという人間は今では珍しいとても気が強いタイプのようだ。
“私はネージュ。ジャーナリストよ…と言ってもまだ駆け出しの新米だけど…あなたは?”
“俺の名はクラフト。ネオ・アルカディアの戦士だ”
この地上唯一の正義と言っても過言ではないネオ・アルカディアの戦士と聞いた瞬間、ネージュの目が見開かれた。
“ネオ・アルカディアの戦士…ごめんなさい。そうと知っていればあんなこと言わなかったわ”
“構わんさ、君達人間がレプリロイドのイレギュラー化への恐怖を捨てきれないことは分かっている。”
“ありがとう…”
この出会いをきっかけにレプリロイドのクラフトと人間のネージュの珍しい交流が始まったのだ。
そして何度か交流を重ね、ミッションを受けて遠征に向かうクラフトを取材し、それぞれの理想を語った。
ネージュは人々に真実を伝え続けるジャーナリストであり続けることを語った。
それを聞いたクラフトはネージュらしいと思った。
ネージュがクラフトの方はどうなのかと尋ねてきた。
“俺はこれからもネオ・アルカディアの戦士として人間を守り、世界を平和にしてみせる。”
過去の自分の言葉を最後に、ラグナロクのエネルギーチャージが終了したことに気付いたクラフトは閉じていた目を開いた。
「ネージュ…これで世界は変わる…今度こそ!ラグナロク…主砲発射!!」
クラフトなりの世界への想いを込めてスイッチを押し、ラグナロクの主砲を発射した。
一方で、ラグナロク制御室の前まで着ていたゼロ達もラグナロク内部の揺れにより、立っていることが出来ずに床に膝を着いた。
「この揺れは…」
「…発射されたようだなエックス……シエル…!応答しろ…!!」
ゼロが地上のトレ
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