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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#30 見捨てられない想い
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 旅券もヴァンが、人数分全てを用意してくれたおかげで、滞りなく通り抜ける事が出来た。
 アニスの一悶着もあったりして、こちらには騒動を起こす問題児(ルーク)がいるから、やや 心配だった皆だが、比較的簡単にカイツールの検問所を通過できた。

 そして、その道中の事。

「あっちが ご主人様の国ですの??」

 ミュウは、興奮しながらルークに訊く。
 ミュウにとっては、あのチーグルの森周辺から出ただけでも大冒険だ。人間が沢山いる場所に来る事自体もそうだろう。だから、全てが輝いて見えていた様だ。……何より、ご主人様の国である事がより一層、拍車を掛けていた。

 だけど、当のルークはと言うと、そんなミュウの気持ちなど考えておらず。

「ふわーー! やっと帰れるぜ……」

 大きな欠伸を1つしていたのだが、その表情は安堵感に包まれている様だ。……家に帰れる事全て繋がっている事はよく判る。

「ええっと……、 確か ルークの家があるところって、《バチカル》……だったよね?」

 アルはルークに訊いた。流石に、ルークはアルをミュウの様に扱ったりはしない。

「ん? ああ そーだ」

 ルークは、軽く手を振って答えていた。

 正直、アルは ちょっと言いづらそうにしていた。何故なら、まだ(・・)ルークの家にはつかないから。

「えと……、バチカル、だったら ここから 更に船に乗ったりしないといけないんじゃない……? 位置的にさ。だから もうちょっとかかると思うよ?」

 アルは、苦笑しながら言った。たぶんルークは考えてないだろう、と言う事は予想出来た。……その上で、これは 水を差すようだけど、道中で盛大に落ち込むよりは良いだろう。最初に知っておいた方が。
 そして、案の定 ルークは。

「えええッ! マジかよッッ!!」

 ルークは笑顔から一転。アルの予想通りだった様だ。

「ああ、アルの言う通りだぜ? ルーク。軍港から海を渡らないとバチカルにはつかないよ。陸路じゃ遠すぎるし」

 ガイがフォローを、これで信憑性が更に増す、と言うものだ。

「……まだそんなにあるのかよー……」

 更にテンションが下がってしまった様で、歩く速度も更に落ちる。

「まーまー ここまできたら帰って来たも同然だって、だからさ、ルーク、元気出して!」

 アルがルークを励ましていた。
 自分が発端で、落ち込んでしまっているから、少し責任を感じた様だった。

「んー、それにしても…… 本当にアル、お前は記憶喪失なのか? 地理も大体頭に入ってるみたいなんだし、実に的確じゃないか。(さっきのヴァンとのやり取りもそうだったし)」

 ガイが、アルについてを聴きたかった、と言うより、気になったから、つい口
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