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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#30 見捨てられない想い
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「ここは危ないから、だから、直ぐにほかの人を連れて、被害のない建物へ非難してて!!」
そう言うと、何とか自分の足で立つ事が出来た兵士は、礼を言うとそのまま、他の兵士達に手を貸しながら、避難を開始した。
「アリエッタ! 誰の許しを得て こんなことをしている!」
アリエッタの上司でもある総長ヴァン。
その言葉は、子供であるアリエッタにも十分効いた様で、たじろいでいた。
「そ、総長……! ごっ ごめんなさい……… アッシュに頼まれて」
アリエッタが、答えると同時に、今度はヴァンの方が驚いていた。
「(アッシュって……、確か、ルークにそっくりだったあの……)」
アルは、アリエッタに続いて、アッシュの事を、思い出そうとしている内に、アリエッタが直ぐに行動に出た。考え込んでいたからこそ、アルは行動するのが遅れてしまったのだ。そして、アリエッタの容姿を見て、油断をしていたのかもしれない。
「船を整備できる整備士さん達は、 アリエッタが連れて行きます! 返して欲しければ! ルークとイオン様がコーラル城へ来い! ……です」
アリエッタの姿だけを見ればまだまだ幼子に等しい。そんな子が大人を誘拐をしていく姿を見て、アルも驚いた。
「ちょ、ちょっと! 君みたいな女のコが誘拐って、そんな まってっっ!!」
アルは、助けようと追いかけたのだが、アリエッタが操っている相手は、地を駆けるライガではなく、空を翔るグリフィンだ。
飛行速度に追いつける事が出来ず、あっという間に飛び去り、姿形が見えなくなってしまった。
それは、アリエッタが去った後。
一先ず怪我人を全員収容する事ができ、死者も今の所はいない、と言う状態には出来たが、まだ整備士達が人質として、アリエッタに囚われている。だからこそ、安心は出来なかった。
だから、今後のことを、壊れていた宿舎で一先ず、話し合うことになったのだが、ヴァンの言葉は意外なものだった。
「た、助けない って!!」
ヴァンの決定に、ティアが真っ先に反応した。
そう、ヴァンの決定は整備士達の救出にはいかない。いや、人質交換には応じない、と言う事だった。
「イオン様とルークを危険に晒すわけにはいかん」
ヴァンの中での最優先事項を明確にして、説明をする。確かに巨大な組織の将であれば、時には非情な決定も必要となってくるだろうけれど、やはり 納得がいかないのは殆どだ。
「でもでもー…… 確か、この船を修理できるのって 攫われた整備士さんだけなんでしょ〜!?」
アニスも反論するように言うが、ヴァンは軽く目を瞑るだけだ。。
「……訓
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