第二十四話:対決・紅の姫騎士(上)
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事を好むマリスにとっては、この上ない位に。
「そうだな」
「! ……麟斗……」
ポン、とマリスの肩を軽く叩いて、俺なりに適度な緊張を持てるよう促してやる。
彼女は振り向き、数秒間見つめた後やがて、確かな想いをこめ頷いた。
俺は、自分ですら久しぶりにも程がある……と感じている笑顔を小さく浮かべ、御袋をの方へ顔を向けて腕を下げたまま拳を握った。
俺もまた―――決意を強く、胸に抱いて。
「約束だ、必ず勝って帰る。だから御袋、言わずもがなだろうが今夜の鍋よろ―――」
「ダーメーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
……その握り締めた決意の拳を思い切り振り上げて、タックルをぶちかましてきやがった楓子を跳ね上げる。
「おげっ!?」
「スゥー……セァアアッ!!」
更にそこから横へ大きく反って、上・中段へ両拳を思い切り突き刺す【山突き】で思い切りぶっ飛ばす。
「おごぶげェええぇぇぇええええぇぇっ!! ……っておぼぼおおぉぉぉおぉぉ!?」
「……楓子へ、クリーンヒット」
最後は落下しざまに座卓の角ですねを、身を捩った途端今度は後頭部を打って、楓子は計五か所の痛みに悶え転げ回っていた。
マリスは一昨日のゲームでも思いだしたか、ぼそり呟いていた。
まあ今はそんな事、大して重要じゃあ無い。
「おい阿呆、一体何のつもりだ?」
「に、兄ちゃん酷ひ……」
問題はコイツが何故タックルぶちかましてきやがったのか、と言う所だからな。
耳煩い喚き声のオマケ付きで。
それに酷いだと? ……酷い気分になったのはこっちの方だ、ド阿呆が。
雑言を叩きつけてから少しの間楓子は蹲っていたものの、すぐに電光石火で立ち上がった。
「そんな約束しちゃだめだよ兄ちゃん! 鍋をつつくとか約束しちゃ絶対ダメ!!」
「……はぁ?」
「まさか兄ちゃん知らないの? 知らないからそんな平和ボケした事言えるの?」
平和ボケも何も前の世界と言いこの世界と言い、生まれた時代が平和そのものだったから、第一ボケるも何もねぇんだが……。
そして言い回しが地味にムカつくのは何故だ。
「俺、この戦いが終わったら鍋をつつくんだ…………とか、それは死亡フラグって言う一番立てちゃいけない物なんだよ……!?」
「知るか。現実とフィクションを混同は飽き飽きだ」
「死亡フラグを舐めているとあなた、死にますよ?」
「黙れインチキ宣教師“モドキ”」
「……死亡フラグ……恐ろしい……」
「お前までボケかますんじゃあねぇ、マリス」
もう埒が明かない。
それはもう、まだ理由に説明が付きそうだった御袋の時よりも、ざっと八割増で。
付き合ってられないと
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